桑野さんは「自分で調べたら?」と思いつつ、丁寧に自分の経験を説明してあげた。
どんな病気も治療法を決めるのは医師ではなく自分
「大腸がんを経験したことで、同年代と比べれば病気について調べる能力はついたよね。スマホがあれば、何でも調べられる。こんな便利な機器があるんだから、活用しないと。どんな病気も治療法を決めるのは医師ではなく、自分でしないといけないから」
大腸がんの闘病を経験してから、健康に真摯に向き合うようになった桑野さん。
「自分の体調をよく観察するようになりましたし、ちょっと変だなと思ったら、検査をするように。白内障手術も健康維持の大きな一歩です」
それまでの酒やたばこなど不摂生もあり、糖尿病も発症していたんだとか。
「今は夜早く寝て、朝は早く起きてウォーキング。朝食はチアシードにレモンを搾って食べたり、どこかのマダムのように(笑)、食事に気を使っています。そのおかげで糖尿病の数値が改善しました」
スーパーにもよく通うようになり、桑野家の食材買い出し担当を買って出ている。
「その時季、何の野菜が安いとか、僕は主婦並みに詳しいですよ(笑)。刺身は夜7時半に安くなるので買いどき」
今後は大腸がんの寛解を目指しながら、ミュージシャンとして闘病中も応援し続けてくれたファンに音楽を届けたいと考えている。
「来年はシャネルズが45周年なんです。これからの夢は、憧れの舞台であるアメリカ・ニューヨークの『アポロシアター』でラッパを吹くこと。それには、まだまだ健康でいなくちゃね」
くわの・のぶよし ミュージシャン、タレント。1957年生まれ。鈴木雅之さん率いる「シャネルズ」、「ラッツ&スター」のメンバーとして活躍。2020年、大腸がんが見つかり、手術を受けて復帰生活を送る。