【2024年・追悼エピソード】楳図かずおさん、財団が答えた『まことちゃんハウス』の今後と病床での“終活”

楳図かずおさん

【写真】「景観を損ねる」訴訟沙汰になったハウス、赤白ボーダー私服で外出する楳図さん

楳図かずおさん

楳図さんが建てた『まことちゃんハウス』

2020年6月、外出する楳図かずおさんを目撃

6月上旬、現在の自宅マンションから外出する楳図かずお

ウエストポーチも赤白のボーダー

「唯一無二の人でした……」

　そう話すのは、楳図かずおさんの著作物の管理を行う『一般財団法人UMEZZ』代表理事の上野勇介さん。

財団法人に込めた“願い”

　'24年10月28日、胃がんにより都内のホスピスで息を引き取った漫画家の楳図さん。88歳だった。

「楳図さんは、恐怖漫画というジャンルを確立した漫画界のレジェンドです。その影響を受けた漫画家は少なくありません。恐怖漫画『おろち』『漂流教室』のほか、ギャグ漫画『まことちゃん』などが有名ですが、'60年代には『ロマンスの薬あげます！』というラブコメディーを描いていたこともあるんです。多彩な表現に取り組んだ天才でした」（マンガ編集者）

　近年では、美術展を開催するなど、従来とは違った表現を試みていた。

「今年の夏にがんであることが判明してから、楳図さんは病床で今後のことをすべて、ご自身で決めていきました」（前出・上野さん、以下同）

　'24年8月に設立された財団法人には、楳図さんの“ある願い”があったという。

「漫画家として広く知られている存在だと思うのですが、楳図さんは自身のことを芸術家だと思われていたので、そうした芸術的評価を揺るぎないものにしたいと考えていたんです」