斉藤が考えた“改名案”とは?

太田「実は、改名しようと思っていました。やはり最初は絶対にイジられるので、イジられ続けて、どんどん新しい名前が広まっていけばいいなと。18年もジャングルポケットとしてやってきて、賞レースでもそれなりの結果を出した上で改名というとあまり前例がないと思ったので話題になるかと思いました。

 ただ、お世話になっているスタッフの方と話した時に、ジャングルポケットは『財産でもある』と言われたんです。18年やってきて、たくさんの方に知ってもらっている名前。その名前を変えるという選択もあるけど、ジャングルポケットという名前は財産として残して、そこから新たに加点していけばいいんじゃないか……と。僕としても、別にこの名前が嫌になったというわけでもないので、その後も何度も会社に来てみんなと話し合いをして。それこそ12月、ライブのポスターを制作するギリギリまでずっと話していました」

おたけ「僕も別に『変えたくない』ってわけではなかった。ただ、改名するとして僕と太田の案がうまく合わなくて、揉めるのも違うかなと思いました。コンビ名なんて正解はないし、めっちゃムズい問題じゃないですか。誰か、逆らえないような先輩に『こうしろ!』って言われてたらまた違ったかも知れないですが。でも最初に3人でトリオを組んだ時に『名前を残したい』という気持ちがあったんで、今回もなんとか残せたなと(笑)」

太田「僕らももう40歳を超えている。これが30歳だったら変えていたかなとも思いますが、もはやいつまでお笑いができるかも分からないですし。『ジャングルポケット』は残した上で、新たな僕らふたりを見てほしいなという気持ちになりました」

 3人で会って話す機会はなく、関係性も大きく変わってしまったものの、太田は改名の相談やライブ開催など斉藤と連絡を取ることはあるそうだ。

太田「僕が『新しくコンビ名を付けようと思うんだけどどうしたらいいと思う?』と聞いたら、斉藤は『バディ』って案を出してきて』

おたけ「まあボケたんでしょうけど……」

太田「大喜利強くないんで、あいつ(笑)僕らは学校の同級生とかではなく、大人になってからトリオを組んだので、関係性としては“友人”ではなく“同僚”が最も当てはまる。ドライな部分もありますが、一方で、こんなに距離感が近い同僚ってなかなかないですよね。実際に斉藤とは、家族や友人よりも長い時間を一緒に過ごしてきました。でも、あいつのために人生をなげうって、会社を辞めてまた一緒に……なんて気もさらさらない。この件で『斉藤が嫌いになった』というわけでも全然ないですが」

 なお、斉藤は正式に「ジャンポケから脱退した」とは発表されていない。

おたけ「『解散』とか『脱退』とはうたってませんから。あくまで彼だけ『吉本を抜けた』っていう形です」

太田「でも僕らが3人で活動するとなると、やっぱりそれは吉本の仕事になる。つまり、劇場やライブでネタを披露するということですね。もし将来、斉藤が活動再開みたいなことになったとしても、現実的に活動できる場がない。いつかは3人で何かすることはあるかもしれないですけど、現状では『ジャングルポケットとしてネタをやる』場所やプラットフォームがないですね」