西川 自由診療だと、お金がかかりましたね。

宮崎 はい。でも私には時間がなかったので、先生には“とにかく最短で”とお願いしたんです。

治療のために通っていた大学院を半年間休学

西川 じゃあ、初めから顕微授精も含めて体外受精から?

宮崎 そうです。先生からもタイミング法から入るという話は一切なかったですね(笑)。

西川 実際問題、時間をかけるということはお金もかけることと同じですからね。若い方なら不妊症と診断されてから検査をして、タイミング法を6回やって妊娠しなかったら人工授精を6回試して。

 それでもダメなら体外受精にという流れがあったけど、それだと時間がかかるし、まして年齢的に時間のない人は妊娠できる卵子の数もどんどんなくなってしまう。治療を始める際、病院はどうやって探しました?

不妊治療に関する取組(こども家庭庁ホームページより)
不妊治療に関する取組(こども家庭庁ホームページより)
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宮崎 私の周りに40歳を超えてから妊娠した方がいて、その方からいろいろとアドバイスをもらいました。“あそこの病院は卵子を1回に1個しか取らない”“ここは一気に卵子を採取している”とか。

西川 身体に負担はかかるけど、1回の採取で、たくさん取られているクリニックもありますね。できるだけ卵子をたくさん取って、その中で質のいいものだけを残していくというのが、いちばんの近道だとは思います。

宮崎 私もそのやり方でしたけど、最初だけ数個取れて、その後に何回か採取しようとしたんですけど1個も取れなくて……。先生からはもう年齢的に無理だねと言われて。なので、取れた卵子で受精卵をつくって戻し始めました。それが43歳になってからですね。

西川 そこから凍結胚は何個できました?

宮崎 3つです。初めに1つ戻したんですけど、これがダメで。その後に残った2つをいっぺんに戻したんです。

西川 1回目でダメだったとわかったとき、焦りなどはありました?

宮崎 いえ、そこまで焦りはなかったんですが、体調が万全だったかというと自信がなかったんです。身体も冷やしてしまったし、安静にもしていなかったので、そのときは後悔が残りました。

 治療のことだけを考えていると、楽しくないというか……。ハッピーな気持ちで臨めないと、結果もよくならないのでは?と思うようになって。なので治療も2、3か月休んでもう1回とか。大学院にも行っていたので、半年間休学しました。

西川 治療を休んでいた間、何か妊娠するために行っていたことはありますか?

宮崎 鍼を打ったり、漢方を飲んだりしました。でも効果があったのかはわからないですね。なんというか、人の弱みにつけ込んでくる、というと言いすぎかもしれませんけど“3か月通えば絶対にいい卵子が採れるから”みたいなことを言われました。

西川 それで結果が出た方もおられるとは思いますけどね(笑)。