叶井俊太郎さんと再婚し最高のパートナーを得る

 一方で、叶井さんはバツ3で、業界でも有名なモテ男だった。おしゃれでセンスのいいファッションでキメているが、借金まみれ。はたから見れば典型的なだめんずだったが、「私にとってはだめんずではなかった」と倉田さんは言う。

パートナーに求める基準は人によって違いますよね。私の場合、暴力を振るう人や束縛する人が最もありえなかったんです。浮気が絶対許せないという人にとって彼はNGでしょうが、私は一緒にいて楽しければいいという感じで。実際は浮気していたかもしれませんが、彼のスマホをチェックしたことはないですし、浮気を見つけたことはなかったです。

 私も働いて、贅沢(ぜいたく)をするタイプではなかったので、彼がお金を持っていないことも気になりませんでした

 交際から程なくして倉田さんは妊娠。もともと2人目の子どもが欲しかったので、出産することに迷いはなかったという。入籍へのこだわりはなかったが、叶井さんのほうが結婚を望んだ。

彼は記念日やクリスマスなど、意外にもセレモニーを大事にするタイプ。生まれてくる子どもと自分の名字が違うのを嫌がり、妊娠8か月のときに入籍しました

 叶井さんは今回が結婚4回目ということもあり、倉田さんの両親は再婚に大反対だった。これまで両親と顔を合わせたのは、叶井さんが結婚の挨拶に来たときだけだったという。

私の娘が夫みたいな男性を連れてきたら、やっぱり反対しますよ。だから両親が心配するのは理解できるんです。でも私にとって夫と出会えたことは、宝くじの大当たりを引いたくらい幸運なことだったので、両親の反対も気になりませんでした。

 夫は世間的には破天荒に見えますが、仕事の締め切りは守るし、生活リズムもきちんとしていました。私のほうがだらしないくらいで、生活を共にするにはとても暮らしやすい相手だったんです

 叶井さんは家事や子育ても積極的に行い、「ママが二人」という状態だったと倉田さんは振り返る。

「保護者会とか子どもの学校行事はすべて彼が参加し、ママ友もいっぱいいました。『緑のおばさん』当番も必ず夫は参加して、道に立っていましたね。子煩悩で、もし離婚することになったら、親権は彼が持つほうがいいと思ったくらいです。

 モテ男で男っぽいイメージを持っている人も多いかもしれませんが、中身はおばさんみたいな人ですよ。うちに送られてきた女性誌をいつも熱心に読んでいましたし(笑)

 子どもが生まれてからはセックスレスになったが、それも問題とは思わなかったという。

夫とは同性の友達みたいな関係で、お互いの裸を見ても風景を見ているような感じ。セックスしたいとは思わなくなりましたが、大好きだったことは変わりません

 金銭感覚は大きく異なっていた二人だが、倉田さんの寛容さでこちらもケンカにはならなかった。

彼はファッションへのこだわりが強くて、びっくりするような価格のスニーカーやTシャツを平気で買うんです。そんなことが許される家計ではないので、さすがにどうかと思っていましたが、『とにかくいい服を着たい人なんだからしょうがない』と途中から諦めました。私は洋服を気にするタイプではなく、メルカリやしまむらで購入し、ちょっといいものはユニクロという状態。

 夫がこんな感じでしたし、子どももいますから、自分がしっかり働かねばという意識はありましたが、苦になったことはありません