余命宣告された森永卓郎さんへアドバイス
実は倉田さんの周りには、叶井さんだけでなく、もう一人、膵臓がんで余命宣告された人がいた。経済アナリストの森永卓郎さんだ。二人はラジオ番組で共演したことをきっかけに意気投合し、森永さんは、倉田さんに全幅の信頼を置いているという。
「くらたまさんは主張が明確で、誰にも忖度(そんたく)しません。だから番組を降ろされてしまうのですが、そういうところが私とよく似ているんです。業界の人と食事に行くことはまずないのですが、くらたまさんとは一度、食事もご一緒しました」と森永さんは語る。
森永さんといえば2023年12月に膵臓がんステージ4と判明し、余命4か月の宣告を受けたことを公表している。
「公表してから私のところに治療のアドバイスが2000件以上も来ましたが、どの人も『これをすれば治ります』と言うんです。くらたまさんからは、叶井さんがやっていた免疫療法を聞きましたが、『効くかどうかはわからないよ』と。でもそういうところが信頼でき、その免疫療法を私も受けることにしました」
森永さんは余命宣告から丸1年たった現在も元気に過ごしており、倉田さんも「森永さんは死なないんじゃないかな」と話す。
「以前、文化放送のイベントで私とくらたまさんとで『もりたま学園』という漫才ユニットを組んで、漫才を披露したことがあります。今度はM―1に出ようという話になったので、年末のM―1にくらたまさんと出ることを今の目標にしています」
YouTube番組「政経プラットフォーム」を主宰し、森永さん、倉田さんとともに配信を行っているITビジネスアナリストの深田萌絵さんも、倉田さんに絶大な信頼を寄せている一人だ。深田さんと倉田さんの親交は、深田さんがタレント時代、自身のだめんずエピソードを倉田さんに披露したのがきっかけだった。
「私の父はとんでもなくテキトーな人だったのですが、くらたまさんと共演させていただいたラジオ番組の後に父の話をしたところ面白がってくれ、『だめんず・うぉ~か~』に取り上げてくださったんです。
父が個性的すぎたので、どんな男性に出会ってもいい人に見え、私は数々の悪い男性に引っかかってきました。まさに『だめんず・うぉ〜か〜』で(笑)。離婚もしましたが、私が恋愛から何から気兼ねなく相談ができて、ズバッと本音でアドバイスしてくれるのはくらたまさんだけです」と深田さんは話す。
叶井さんとの結婚を聞いたときは、倉田さんの「ダメな人を愛する力」を改めて認識したが、深田さんはそこに救われてきたという。
「父は周りからろくでなしと言われてきましたが、倉田さんは『お父さん面白いね。もっと話を聞かせて』と言ってくれました。そのとき、こんな父でも役に立つことがあったんだとうれしくなったんです。
ダメな男性って、通り一遍の普通の男性より味わい深いものがあり、そこに魅力があったりするんです。ただし、だめんずに引っかかってもいいのは、お金で苦労しない、経済的に自立している女性だけですよ」
叶井さんが亡くなった後、倉田さんに自身のYouTubeの番組への出演を依頼したが、最初は断られた。
「ちょうど新しい番組を立ち上げたとき、叶井さんの遺言が『くらたまに仕事をよろしく』だったことを知りました。番組で誰にも忖度せずに本質をズバッと言えるのは、くらたまさんしかいないと思ったんです。ただ一度目は『収録中に涙が止まらなくなるかもしれない』と断られました。
1か月後に再度ご依頼しましたが、そのときもダメだったんです。3回目は『森永さんと一緒にがん闘病の話をしてもらえませんか』と依頼すると、『森永さんに会いたい』ということでOKのお返事をいただけました」