「大河ドラマではたまにある」
『べらぼう』の演出について、ある制作会社プロデューサーは「大河ドラマではたまにある」と前置きして次のように語った。
「大河ドラマは時代考証の担当者がいるのであまりめちゃくちゃな解釈をしなかったのですが、最近はちょっと目立ちますね。一昨年の『どうする家康』では“家康の正室・瀬名が考える世になれば天下泰平になる”という脚本にして視聴者をガッカリさせました。
昨年の『光る君へ』は紫式部と藤原道長がソウルメイトで「源氏物語」は2人の愛の結晶のように描いたのも不評でした。どちらも平均視聴率は歴代でも下から数えた方が早いです」
ちなみに『どうする家康』の平均視聴率は11.2%(関東地区)で、『光る君へ』は10.7%だった。
この二つの大河ドラマよりも低い平均視聴率は『いだでん』のみである。
「大河ドラマには事実を求めるファンが一定数います。そうした人たちは、歴史に詳しいので、おかしな解釈があるとすぐに見るのをやめてしまいます。何があっても最後まで見る固定ファンは減ってきているので、おもしろくするための“無理やり”の設定は視聴者離れを生むだけだと思いますよ」(前述の制作会社プロデューサー)
大河ドラマの視聴率は年々下落傾向。今回は、大河で馴染みが薄い江戸時代中期が舞台と厳しい状況だ。
初回の平均視聴率は12.3%(関東地区)と前作を下回ってしまったが、盛り返しはあるのだろうか。