女性を“匂わせ”に走らせる根本原因

 山本舞香さんだけに限らず、今後は女性が自分から関係を積極的に明かしていくというのは、スタンダード化するのではないかと思うのです。たとえば、先日SNSを賑わせた元バレーボール日本代表の狩野舞子さんもその一人です。

 WEST.の桐山照史さんと結婚を発表しましたが、狩野さんと言えば、桐山さんのイメージカラー・オレンジの服を着たり、桐山さんが大阪の実家に帰省したのと同じ日に、大阪にいることを明かすなど匂わせが話題となっていました。

狩野舞子が以前Instagramで投稿したカーテンと桐山のカーテンが酷似
狩野舞子が以前Instagramで投稿したカーテンと桐山のカーテンが酷似
【写真】「匂わせ彼女の存在辛すぎる…」ファンからバッシングを受けた狩野の投稿

「結婚はタイミング」という言葉があるとおり、カップルが結婚を決めるまで、そして実際に結婚するためには、いいタイミングを待たなければなりません。ましてや、芸能人の場合、仕事関係者など四方八方丸く収めて同意を得ないといけないでしょうから、一般人よりもタイミング待ちの時間がかかることでしょう。これまでは「結婚とは、そういうもの」とされてきましたが、SNSの普及によって情報の伝達は格段に早くなっており、若い世代を中心に現代人は「待てない」体質になっていると思います。

 しかし、恋愛や結婚に関しては男性の都合に合わせて待ち続けなくてはならないことに、納得のいかない女性もいることでしょう。特に不倫など人に言えない恋愛をしている人、交際期間が長いのに結婚の話が出ないとか、30代後半の女性で、自分の人生設計をはっきりさせたい女性にとっては、匂わせをすれば「私はこの人と交際しています」と外堀を埋めることにつながります。何より、男性側の本心を“時短”で知ることができるのが、匂わせのメリットではないでしょうか。

 もし、男性側がまったく結婚を考えていないとか、他にも交際している女性がいる場合は、匂わせされたらたまったものではないでしょうから、揉めるでしょうし、場合によっては破局につながるかもしれません。かなりリスキーな技ですが、相手の本気具合を知れるという意味では、匂わせほど有効な手段はないとも言えるのです。

 匂わせをする女性が知りたいのは、相手の本心。男性側の煮え切らない態度が、女性を匂わせに走らせるのかもしれません。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」