“未経験者歓迎”も一見よさそうだが
次に話を聞いたのは、今年度に新社会人となったケイタさん(仮名・22歳)。ケイタさんは大学生のときにしていたさまざまなアルバイト経験から“危険”な求人フレーズについて語ってくれた。
「【未経験者歓迎】ってよく見ますけど、そういう仕事は経験上、人の入れ替わりが激しい気がします。未経験者歓迎と言って、短期間で稼げるようになれることをアピールすることで、無理やり人手を集めているような“必死さ”を感じますね」
ほかにもこんなフレーズには気を付けた方がいいという。
「【フリーター歓迎】と書いていたところでは、人手不足な環境でシフトを追加するようにしつこく言われた経験があります。あと【友達紹介制度あり】っていうのも、同じく人手不足だからこその“必死感”が伝わってきます。【正社員登用あり】については、結局フタを開けると過去に1人だけ正社員にしたくらいで、ほとんど実績がなかった……なんて職場はザラでしたよ」
ネット上でもケイタさんの指摘と似たような意見が多数あった。
《未経験者歓迎 先輩が丁寧に教えます。これ書いてある求人募集は基本ブラックだし人の出入りが激しい。色々と終わってる。》
《求人で「正社員登用のチャンスもあり!」って書いてるのから正社員になれた人は見たことないけど、ブラックバイトから正社員にされてさらにブラックになった人なら知ってる》
いまやこうしたフレーズは“ブラック企業・アルバイト”の常套句としてネット上では拡散されているのだ。
不自然な“社員の年齢分布”は要注意?
最後に話を聞いたのは映像制作会社に勤務するミサトさん(仮名・27歳)。
「【みなし残業制】を導入している企業はちょっと警戒しますね。『残業しなければその分多めに給料がもらえるんだから得だ』という意見もありますが、こういう企業ってだいたい業務量が多くて、毎日のように残業する環境が多いですし、“残業があって当たり前”みたいな雰囲気を感じるので、よくは思いませんね」
さらにミサトさんは、求人フレーズではないが、警戒すべき会社として次のような特徴を挙げてくれた。
「よく転職サイトに社内の年齢分布表が載っていることがあるじゃないですか。あの分布表で、例えば20代と40代は在籍が多いのに、30代が極端に少ない場合など、不自然な分布になっていると『何か問題があるのかも……』と勘繰ってしまいます」
ひと昔前までは魅力的な求人フレーズとして多くの企業が使っていた文言が、いまのZ世代の“ヤバい会社センサー”に引っかかってしまうことも多々あるようだ。
(取材・文/A4studio 瑠璃光丸凪)