港前社長が口を滑らせて…

 会見に登壇したのは、清水賢治新社長、遠藤龍之介副会長、港浩一前社長、嘉納修治前会長、金光修フジメディアHD社長の5人。1月17日の閉鎖的な会見では、服装の乱れが指摘されていた港前社長だったが、今回はスーツの前ボタンがきちんと閉じられていた。

 質疑応答が始まると、フジテレビ側の準備不足を感じた。多くの質問に「女性のプライバシーが」「第三者委員会に」といった曖昧な答えを繰り返し、港前社長は回答に悩む場面も多かった。

 フジテレビ側が取材陣にプライバシーの配慮を求めているにもかかわらず、港前社長が口を滑らせて、女性や社員Aの特定につながるような発言も何度かあった。

今にも寝入ってしまいそうな瞬間もあった金光修フジメディアHD社長
今にも寝入ってしまいそうな瞬間もあった金光修フジメディアHD社長
【写真】座り方も乱れてウトウト…限界を迎えた金光フジメディアHD社長

 日付が変わって、会見は10時間を超える長丁場に。次第に報道陣の数が減っていき、会場全体に疲労感が漂う。ただ、一部の“主張が強い記者”は、最後まで気を張っていた。

 終盤は、壇上の5人も疲れた様子だった。金光フジメディアHD社長は、今にも寝入ってしまいそうな瞬間もあった。椅子の上で座り方も乱れていったが、これだけの長時間ともなれば、それも当然だろう。一方、清水新社長は自らに向けた質問でない場面でも、熱心にメモを取りながら話を聞いていた。最年長の嘉納前会長は74歳。10時間超の会見を、たった10分の休憩でやりきる体力と気力には、ただただ驚いた。

 歴史に残る異例な会見に立ち会ってみて、いちばん異例だと感じたのは登壇者たちの体力だろう。もっとも、その体力があるのならば、もっとしっかりとした準備ができたようにも思うのだが……。