そんな“大谷ストーリー”の中で大きな存在だったのが、水原被告。日本時間2月7日に量刑が言い渡される。

 検察は禁錮4年9か月を求刑。水原被告側は“24時間対応”などの労働環境やギャンブル依存症を理由に禁錮1年6か月が妥当と主張している。

 水原被告には、どういった判決が下るのか。『樋口国際法律事務所』の国際弁護士である樋口一磨弁護士に聞いた。

「量刑ガイドライン上は、訴追されている銀行詐欺と虚偽の納税申告の刑はもっと重くなりますが、水原氏の合意書では、4年9か月から5年11か月であれば双方争わないとなっています。司法取引を前提とすれば想定内の求刑といえます」

 水原被告の“言い分”は認められるのかというと……。

「情状酌量の可能性は理論的にはありますが、合意書に沿った求刑であり、水原氏の主張は一般的に同情を引くものと思われないため、求刑に近い判決になる可能性が高いでしょう」

各競技の“神様”と並ぶ

 水原被告の事件もひと区切りついて迎える大谷の2025年シーズン。新たな領域に到達するかもしれないと、前出の志村さんは語る。

「2024年の野球界は大谷選手を中心に回っていました。全盛期のマイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズは、彼らを中心にバスケ界、ゴルフ界が回っていましたし“彼らとその周りのライバルたち”という描かれ方でした。

 大谷選手が二刀流で活躍して、ドジャースが連覇したら今のアメリカスポーツ界で最大のスターになるかもしれません

 各競技の“神様”に並びつつある大谷。子どもたちからも人気を集めている。

マイケル・ジョーダン(NBAのYouTubeより)
マイケル・ジョーダン(NBAのYouTubeより)

「アメリカの子どもたちは強いチームの選手に憧れます。大谷選手はエンゼルス時代もすごい選手でしたが、チームとして強くはなかった。ドジャースに移籍した2024年から大谷選手が好きだという子どもが増えました。

 アジア人の子どもたちから憧れられていた、これまでの日本人メジャーリーガーと違い、大谷選手の場合はアジア人以外の子どもたちも《17》の背番号をつけたがります。マイケル・ジョーダンは人種を超えた憧れの存在でした。大谷選手も、そうなりつつあります」(志村さん)

 活躍を続ける大谷、憧れるのはやめられない。