キャンペーンが「九都県市」ではじまった理由とは?
平成21年(2009年)から実に15年以上も続いているというこのキャンペーン、そもそもなぜ「九都県市」なのだろうか? 各自治体にヒアリングを行う中で、そのきっかけが明らかになってきた。
「平成21年に開催された第55回八都県市首脳会議にて、当時の松沢神奈川県知事から『受動喫煙防止対策の推進について、首都圏全体で取り組みたい』旨の提案がされた
ことがきっかけです」(横浜市)
キャンペーン開始当時の平成21年当時は東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県と、横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市の8都県市の首脳が継続して行っていた「八都県市首脳会議」において発案されたものだという。翌年から政令指定都市となった相模原市が加わり、九都県市として広域的課題に取り組んでいるという。
「九都県市では、従来から共有する膨大な地域活力を生かし、共同して広域的課題に取り組んでいます」(神奈川県)
また、このキャンペーンが始まった平成21年に、九都県市合同でより実効性のある措置を盛り込んだ法制度の充実強化を国に要望し、併せて始まったのが受動喫煙防止キャンペーンだったという。
また、このキャンペーンを行う根拠として、下記の健康増進法第25条がその根幹にあるという。
第二十五条 国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう、受動喫煙に関する知識の普及、受動喫煙の防止に関する意識の啓発、受動喫煙の防止に必要な環境の整備その他の受動喫煙を防止するための措置を総合的かつ効果的に推進するよう努めなければならない。
「国及び地方公共団体は、望まない受動喫煙が生じないよう知識の普及や啓発等を推進するよう努めなければならないとされており、それに応じて各地方公共団体がその地域の状況に応じた手法にて受動喫煙対策に取り組んでいます」(横浜市)
効果測定はなし。継続する意義はーー
ここで気になるのが、キャンペーンの効果である。例えば東京都では、東京メトロの160の駅や、都営線などにポスターを掲示を依頼しているというが、この活動において認知はどれくらい高まっているか、指標などはあるのだろうか。
もっとも広範囲にポスターを配布し、予算も他の自治体と比較して大きい東京都に、当キャンペーンの効果測定について尋ねてみると「特に指標や効果の測定は行っていませんが、見てくださっている方もいらっしゃると感じています」という回答だった。