目次
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ー 荒れた大学生を演じる佐藤勝利
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ー 恋愛観の変化「昔は斜に構えていた」
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ー 新生timeleszは「自然体で楽しんで」

「ある種の人間らしさというか、人間のエグみ。今までそういう役とは距離があったので。今回の役ができることはうれしかったですね」

 と、放送中のドラマ『アポロの歌』に主演している佐藤勝利。手塚治虫さんによる壮大なSF青春ストーリー『アポロの歌』('70年)を現代解釈した物語だ。

荒れた大学生を演じる佐藤勝利

 演じているのは荒んだ生活を続ける大学生・近石昭吾。幼少期に受けた虐待のせいで愛を軽蔑し、憎んでいる。

「昭吾は特に母親からの愛をもらえなかったんですが、本来はものすごく愛を求めていると思うんです。そんなトラウマに加え、周りの満たされた人たちを否定することで、自分自身を保っている人間。そこは大事にして演じています。

 昭吾への共感ですか? “近いキャラクターです”とは言いづらいな(笑)。でも、口数が少ない役って今まであんまりなくて。今回の昭吾が初めてくらいじゃないかな? 僕も普段、そんなにしゃべる人じゃないから、そういう部分は近いかもしれない。あと僕もわりと疑い深いほうだから、そういう意味では遠くはないかな? 僕って、人を信じていないじゃないですか(笑)」

 と、冗談を飛ばしながら笑顔を見せる。

「複雑な表現も多かったりしますが、伝えたいことは一貫して愛。シンプルですが、愛って大事だし、愛は大事にしないといけない。きっと伝わると思っています」