熱いお湯に20分もつかるのは危険

×「入浴は40℃のお湯に20分以上」
◯「入浴は40℃のお湯に10分以内!」

 寒い冬は湯船でじっくり身体を温めたいけど……。

熱いお湯に20分もつかるのは危険です。心臓や血管に負担がかかって、高血圧の人なら脳卒中や心筋梗塞を引き起こす可能性があります

 夏は40℃、冬は41~42℃のお湯に10分つかるのがおすすめだという。

「うっすら汗をかいたら身体が温まったサイン。さっと出るようにしましょう。38℃の長い半身浴で寒い思いをするなら、温度を上げて10分で出るほうがいいですね」

 昨年、女優の中山美穂さんが入浴中に亡くなって、「飲んだ後は、お風呂に入らないほうがいいの?」と心配になった人もいるのでは?

飲酒後の入浴は禁物です。お酒で血流がよくなって血管が開き、血圧が下がっています。その状態でお風呂に入ると、さらに血圧が下がって脳に血液が届きにくくなり、意識がなくなって溺れてしまう可能性があります」

 健康な人でも飲酒後の入浴は厳禁! 汚れを流すならシャワーだけにとどめよう。

×「コレステロール値が高い人は卵NG」 ◯「コレステロール値が高めでも卵はOK」

 中高年になると、健康診断でコレステロール値が上がっていることが判明して、「卵を食べてはいけない」とアドバイスを受けることがある。

「特に女性は、更年期になると女性ホルモンが減ります。健康な人でも高めになるのが当たり前なので、神経質になる必要はありません。むしろ細胞を守る膜となるコレステロール不足のほうが、免疫力が下がる原因になるので心配です。総コレステロール値が200を切るなら食生活を改善したほうがいいですね」

 石原先生は、「卵を控えるのはもったいない」と話す。

卵は完全栄養食。免疫力を上げるには心強い味方です。タンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルも豊富で、皮膚や粘膜を強くする働きもありますから

 さまざまな研究で、卵をまったく食べなくても、1日1個以上を食べても、心疾患などのリスクに変わりはないという結果も出ているそう。

 世の中にあふれる健康情報。運動習慣のある人、ない人、ライフスタイルの違いにより、その効果はさまざま! 逆効果を招かないように自分の身体に合う健康法をいま一度見直してみては?

石原新菜先生●医師・イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法を得意とする。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍。
石原新菜先生●医師・イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法を得意とする。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍。

教えてくれたのは……石原新菜先生医師・イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法を得意とする。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍。著書は『1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法』など70冊を超える。

石原先生の著書『1週間で勝手に最強の免疫力がつくすごい方法』(日本文芸社)※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

取材・文/鷺島鈴香