「春は草木とともに人間の身体も活性化するのですが、変化が大きいのでバランスをとるのが難しい。寒暖差の影響で自律神経が乱れやすいため、イライラしたり、だるさが出やすい傾向が。放っておけば五月病につながることもあります」
そう話すのは、SNSで話題の国際中医薬膳師・リョータさん。ほかにも花粉症やのぼせといった不調も出やすくなるのだとか。
毛穴が開いている春は冬より風邪をひきやすい
「実は冬より風邪をひきやすいタイミングなんです。冬は厚着をしますし、汗腺や毛穴が閉じているのですが、春、暖かい日があるとそれが緩みます。そのときに急に気温が下がると、冷えから一気に体調を崩してしまう」
また、もともと持っている病気も悪化しやすい時季なので、更年期障害などがある方は無理せず養生することを心がけて。
「中医学では『食前のスープはどんな薬にも勝る』といわれるほど、薬膳スープは消化もよく、滋養強壮に最適。特別な漢方薬の材料を使わなくても作れます。
春には、中医学で全身に栄養を与えるとされる『血』を蓄え、元気の源である『気』を巡らせる食材を使ったスープがおすすめです」
今回は手軽に作れて春の不調改善に効く7品をご紹介します。
「食事では“酸っぱいもの”を積極的にとるといいですね。酸味には身体を引き締める効果があるので汗や鼻水などの改善が期待できます。花粉症に悩む方にもぴったりです」
【冷え性】ポトフ
身体を温める根菜がたっぷりの温活スープ

「血」を補うにんじん、「気」を巡らせる玉ねぎ、元気と潤いを与えてくれる豚肉をしっかり煮込んで。花粉症で水っぽい鼻水が出ている人にもおすすめ。
材料と作り方(2人分)
(1)にんじん・じゃがいも・玉ねぎ各1個の皮をむき、4等分にする。
(2)鍋に水2カップ、ひと口大に切った豚バラブロック200g、キャベツ1/4玉と(1)を入れ、ローリエ1枚(またはブーケガルニ適量)と一緒に、やわらかくなるまで煮る。