子離れの日を思うと「怖いですよね（笑）」
作品テーマのひとつは、親離れ・子離れ。仲間は双子の男の子の母親でもある。
「朱音のように見守ることって、なかなか難しいです（笑）。目の前で何か事が起こっていると口も出るし、身体も動いてしまう。小さいころから“お世話癖”がついているので。それを客観的な目で見て、できていようがいまいが、やはり見守る。我慢する。できるだけ気をつけています」
そんな子どもたちも踊のように成長し、自らの意思で人生を歩き始める日はきっとくる。
「とてつもなく寂しい気持ちに襲われる中で、自分をぐっとこらえて客観的にちゃんと見て、彼らが踏み出す夢を応援してあげられるか。寂しいような、うれしいような気持ちはすごくあるだろうなと思いますし、怖いですよね（笑）。ちゃんとそういうことができる親でありたいなと思います」
双子の個性の違いについて尋ねてみると、
「ありますね。ひとりは単純に元気よく明るく、“これをやろう”と促すと“いいね。やろう”と乗ってくれるけれど、もうひとりはそうではなくて。それぞれのスピード、リズムに合わせてうまく誘導してあげなきゃいけない。それぞれの気持ちにできるだけ合わせて話をしたり、持っていくように心がけています」
家族みんなの笑顔何げない時間が癒し
女優業と母親業。両立の大変さについて聞くと、
「子どもがいくつになろうとも、今はまだまだ大変ですね。仕事現場にいるほうが、確実に身体は休まっています（笑）。実際問題、セリフを覚える時間の確保がなかなか難しいので。できるだけ早めに台本をいただける作品でないと、対応は難しい部分はあります」
昨秋に45歳を迎えている。
「親としてもまだまだ未熟な部分がある中で、今回の母親役をやらせていただいて。やっぱり40代になってからの役はこれまでとは違うので、それも楽しみながら挑戦していきたいです。そして、誰かに何かを教えたり伝えたり、語り継いでいく役割も担う年齢になってきたのかなとも思っています。そういうものを背負いながら芝居をしていきたいです」
忙しい日々の中で、癒しを感じる時間について聞いてみると、
「ゆっくりお風呂に入ったり、好きなコーヒーを淹れて飲んだりするときでしょうか。でもやっぱり家族みんなが笑顔でいる、何げない時間が癒しのひとつだと感じていますね」
取材・文／池谷百合子
