一方で、スポーツライターの小林信也さんは、右肘と左肩のケガから復帰1年目ということが影響すると見る。

「昨年の成績が驚異的すぎることと、二刀流になると疲労を考慮して休む試合が増えて打席数が少なくなるので、目に見える数字としてはどうしても減ってしまうでしょう。なので予想というよりは、これくらいできればすごいという設定値で考えています」

 としたうえで、投手・大谷についてこう話す。

2度の手術と選手生命

「右肘の状態を確認しながらになるので、登板数も限られて4勝くらい。1勝でもできれば復活したと言っていいと思います。というのも、大谷選手は右肘の手術を受けるのが2度目で、そこから復活して活躍した選手の例は少ない。ドジャースとしても無理はさせないので、4勝したら来年につなげるでしょう」(小林さん、以下同)

 昨年は圧倒的な記録を残した打者としてはどうか。独自の視点でこう分析した。

「二刀流をやるので、ロバーツ監督も休ませながら起用することになると思います。ホームランは40本以上打ったら素晴らしい。盗塁に関しては、投手もやると、どうしてもケガが怖い。盗塁は不安があるとできないので、25から30盗塁したらすごいと言っていいでしょう。2度目の手術を受けたことで、投手としての選手生命はそう長くはない。

 個人的な考えですが、守れなくなるようなケガをする前に、野手に専念してホームラン60本を打ち、守備で好プレーをする大谷選手も見たい。徐々に打つほうに専念するきっかけの年になってくれたらとも考えます」

アジア人で初のメジャーリーガーも予想

大谷翔平と日本人初メジャーリーガーの村上雅則さん(ドジャース専属カメラマンのインスタグラムより)
大谷翔平と日本人初メジャーリーガーの村上雅則さん(ドジャース専属カメラマンのインスタグラムより)
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 プロの“大先輩”は、どんな活躍を予想するのか。アジア人として初のメジャーリーガーで、南海(現ソフトバンク)や阪神、日本ハムでもプレーした村上雅則さんが語る。

「4月から投げると思っていましたが、ドジャースは慎重なようで、それは彼にとっていいことですね。5月に復帰して、少しずつ投げるイニングを伸ばしていって。チームの打線の状態にもよりますが、10勝近くはいくと思います。10勝したら合格点」

 打撃に関しても球界の“レジェンド”は、こう期待を込めた。

「ホームランは最低40本、できれば45本打ってほしいですね。盗塁もしてもらいたいけど、無理に走らなくていい。40盗塁くらいで“40-40”を達成してくれたら十分な働きでしょう。ファンは今年も50本塁打と50盗塁を期待するかもしれませんが、OBとしては40-40で100打点、打率3割。それくらいはできますし、してほしいなと思います。今年もMVPを狙える成績は残せるでしょう」(村上さん)