今年、デビューから30年を迎えるシンガー・ソングライターの岡本真夜さん。
『TOMORROW』『Alone』など平成の大ヒット曲は、永遠の名曲として令和の今も歌い継がれている。
5月10日には「岡本真夜 30周年 ANNIVERSARY Live」が都内で開催されるが、全国ツアーも予定。アルバムのための新曲づくりにも励んでいる。
「デビュー時は30年残れるアーティストになりたいというのが目標だったので、5月10日に夢が叶(かな)いましたと言えるのが楽しみです」と岡本さんは感慨深げに語る。
中山美穂さんのパリの自宅に招かれて
今年は30周年で忙しくなることがわかっていたので、昨年は充電期間として音楽活動以外のことをするほうが多かった。中でも特に印象深かったのがパリへの一人旅だった。
「パリは学生時代から憧れていた街で、デビュー直後にジャケット撮影で訪れて以来、何度も通っています」
日本で街を歩いていて周りから「岡本真夜だ」と気づかれるのが苦手だという。パリでは声をかけられることもなく、美しい街並みをのびのびと歩けるのも気に入っている。
「観光地を巡るのではなく、アパートメントを借りて、普通に暮らしている感じで、カフェに行ったりして1週間ほど過ごしました。パリに友達もいますし、リフレッシュできました」

岡本さんのパリでの思い出といえば、昨年亡くなった中山美穂さんとの交流もあげられる。中山さんが主演するドラマの主題歌『未来へのプレゼント』の楽曲提供がきっかけで親交が深まり、プライベートで会うこともあったという。
「この楽曲はメロディーが締め切り前日まで浮かばずドキドキしましたが、ようやく完成して、初めて美穂さんにお会いしました。
そこで美穂さんが書いてくださった歌詞をいただいて、メロディーと照らし合わせて仕上げたのです。私はコーラスにも参加し、共作できて幸せでした」
その後、仕事でロスに行った際、寿司店でばったり中山さんと出会い、連絡先を交換したという。
「私の楽曲がトラブルに巻き込まれて、いろいろ報道されているときに、『ごはんに行かない?』と誘ってくださって。お会いしてもトラブルの話はまったく聞かれず、ただ楽しませてくださって、本当に優しい方だと思いました」
中山さんがパリに住んでいたときは、自宅に招かれたこともあった。
「美穂さんがごはんを用意してくださって、ワインを飲んで楽しい時間を過ごしました。ご自宅にピアノがあったので、私の伴奏で美穂さんが歌ってくださって。とても大切な思い出になりました」
中山さんは昨年のライブで『未来へのプレゼント』を歌っていたが、その姿を見ることはもうできない。
「そろそろまたお会いしたいなと思っていたところだったので、ショックが大きくて……」
これまでも自身のライブでこの曲を歌ってきた岡本さんだが、
「これからは美穂さんと一緒に歌っている気持ちで歌い続けたいですね」
と追悼した。