
3月16日、元警視庁捜査一課の佐藤誠氏が『佐藤誠の警察OBチャンネル』を更新。同じく元大阪府警警視の山口雅之氏を招いて、【どうなってる?警視庁要人警護体制】と事件の解説動画を投稿したのだ。
山口氏によると、なぜ襲撃事件が起きた際に警察官が動かなかったのか、その背景にある根本的な問題として、
「警備の責任者、警視庁の警備部長とか、こういう雑踏警備を所管している責任者である課長とか、所轄の警察署長以下、警備課長。その者たちの危機感というか、警備の基本的なところがわかってなかったんじゃないか」
警備にあたる上での“責任者”の危機感のなさを指摘。同氏によると、例えば世界の軍隊でも全員が精鋭部隊ということはなく、中には気の緩い者、不平不満ばかり持つ者、戦闘能力の経験も知識も低い者もいることを挙げ、
「もう早く帰りたいな」警察官の本音
警察官にも“いろいろな人間がいる”とする。さらに事件が起きた時間帯にも注目。
「また心理的に、午後5時10分。この時間帯というのはですね、警備に従事している警察官の本音としたら、“もう早くデモ終わらないかな、もう早く帰りたいな”。下手に関わったら対応事件に、当然、ああいう立花さんが襲われて、まさに目の前で殺人未遂事件が発生したわけですから。
本当なら、民間人が取り押さえようとする動きと時と同じくして(警察官が)飛び掛かる必要がある。なぜ、その行動ができなかったという背景、事情が色々あるわけですよ。そこに従事していた部隊、警備をしていた(警察官は)、要は誰の指揮下でこの警備をしていたのか。財務省解体デモの視察なり、警戒なりしていた警察部隊は誰の指揮下だったのか」
動画では、山口氏が推察する“指揮官の正体”と、組織の問題点の詳細。また警備に従事する警察の心理にも触れられている。
故・安倍晋三元首相に岸田文雄元首相、そして立花氏とたびたび起こる政治家を狙う、民間人をも巻き込みかねない襲撃事件。「国民の安全安心を守る」が、政治家のような上辺だけにならぬよう、警察官も改めて己の仕事に尽力してほしい。