頑張りすぎた反動で最悪のシナリオも
実際に、雅子さまは'93年に皇室に入られてから、皇族としての強い使命感を持ち、公務に臨まれていた。
「婚約内定の記者会見で“大きな責任をお引き受けすることになるわけでございますから、身の引き締まる思いがいたします”と心境を語り、その言葉のとおり、積極的に公務などへお出ましになっておられました。しかし、かねて希望されていた、外交官というキャリアを生かした国際親善に関わるお務めはなかなか実現しなかった上、お世継ぎを産むことへの重圧に苛まれた結果、適応障害を患われたといわれています。
適応障害を公表されて以降、それまでのしわ寄せが及んだかのように公務を欠席される日々が続きました。そして今年、終戦から80年という節目をきちんとこなさなければという責任感から無理をしてしまい、以前のように公務に出られなくなる事態も考えられます」(皇室ジャーナリスト)
この最悪のシナリオに、前出の出口教授も警鐘を鳴らす。
「頑張りすぎてしまった結果、その反動で、以前のようにお出ましが困難になられるということは十分考えられます。そうならないよう、今後もご本人の思いやお気持ちを大切にしながら、医師やカウンセラーがサポートすることが必要不可欠です」
今の雅子さまの好調なサイクルには思わぬ落とし穴があるようだ。それでも周囲の力を借りながらハードな1年を乗り越えていただきたい─。
つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など
出口保行 犯罪心理学者。東京未来大学こども心理学部長。これまで1万人の犯罪者・非行少年を心理分析し、多くの報道番組で解説を行う
碓井真史 社会心理学者。新潟青陵大学大学院教授で、著書に『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』『よくわかる人間関係の心理学』