地元でも『あんぱん』効果
銀座木村家のあんぱんの一番の売りはというと、
「やはり、あんぱんの発祥の店であるというところですね。あんぱんができたのは明治7年で、その時代からほとんど変わっていない味を楽しめます」
やなせさんの地元、高知県香美市でも“あんぱんブーム”なのか、香美市土佐山田町西本町にある『ベークショップヒジリ』に話を聞いた。
「あんぱんは朝ドラ放送前の2~3倍は売れていますね。土日は県外のお客様が増えました。お客様の数でいうと、平日は30%~40%増えて、土日は70%~80%増えています。朝ドラは見ていますし、あんぱんがよく出てくるのはパン屋としてもうれしいです」(『ベークショップヒジリ』責任者)
アンパンマンの絵本や、やなせさんの著作を多数、発行している出版社の『フレーベル館』でも、
「朝ドラが始まった週は、ネット書店でやなせ先生の本の売り上げが放送前の週から約140%に伸びました」(『フレーベル館』出版マーケティング部担当者、以下同)
出版社として、やなせ夫妻が朝ドラで描かれることについては、
「世にアンパンマンという作品が広まり、いろいろな形で喜びを与えてくれた先生なので、やなせ先生と奥様が脚光を浴びるのは、われわれとしても非常に喜ばしいことです」
数多の場所で“特需”をもたらしている朝ドラ『あんぱん』。その経済効果はこれからもっと広まりそうだ。