挫折の先で見つけた俳優業

「戦前に生まれ戦争の渦中を生きた人々のことを岩男を通して考え、やなせたかしさんが作品にこめられた戦争への思いを、僕なりに感じとり、日々学びながら演じさせていただいております」と、岩男役として出演が決まり意気込みを語った濱尾だが、俳優になる前は水泳一筋の学生時代を過ごしてきたという。

 そんな水泳漬けの日々に「大学生になるとがむしゃらにやるだけではうまくいかなくなって。(中略)そうした中で、自分が特別だと思える何かを水泳以外に見つけたかったんだと思います」とメディアの取材で明かしている。

 そんな挫折感のなか見つけたのが幼い頃から憧れていたという俳優業だった。オーディションや出会いの数を増やしたりとストイックに自分を磨き続け、仮面ライダーシリーズで頭角を表し俳優として5年を迎えた。

「朝ドラという国民的作品において、主役を引き立てつつも場面を彩るという難しいバランス感覚が求められます。濱尾さんはその絶妙なさじ加減を心得つつ、視聴者の記憶に残るキャラクターを作り上げているストイックな姿が垣間見えます」(テレビ誌ライター)

 『べらぼう』で市川門之助役を演じた際もSNSでは、

《目力のある人っているけど眉力ある人も存在するんだなぁ》
《長身のイケメンだけど濃い顔で印象に残るわ》

 とパッと見の濃い印象も視聴者は色気を感じている。

 視聴者からの評価も高い『あんぱん』。今後も個性豊かな登場人物たちの活躍に注目していきたい─。