少年時代を過ごした都内のマンションには、もう家族は誰もいない。かつては両親と姉、男兄弟と5人家族だったというが、父親と男兄弟、本人が出ていったという。
「母親も2023年末に自室でボヤ騒ぎを起こし、居づらくなったようで、ほどなくして出ていきました。その後、亡くなったと聞いています。1人残された姉も、間もなく引っ越していきましたので、今は容疑者の家族は誰も住んでいません」(同マンションの住人)
一家離散となり、帰る場所を失っていた容疑者。
「なるべく長く働きたい」
勤務先だった建設会社の社長は事件に疲弊しきった様子で、こう話す。
「仕事熱心でまじめでした。将来についても、うちで“なるべく長く働きたい”と話していました。悩みを相談されたことはありませんが、家族関係について“僕は天涯孤独になるんだ”と言ったことがありました」
事件当日、社長は仕事終わりに「酒でも飲むか?」と、誘ったという。
「外に飲みに出かけるのではなく、会社の寮の食堂で一緒に飲むかと誘ったんです。私が酒を買ってきて、アルコール度数の低い甘い酒もあるからどうだ?って。でも“今日はやめておきます”と言われて。彼は普段から飲まないというか、飲めないんです」(同・社長)
かつては家族を疎ましく思っていた谷内容疑者。一連の凶行は孤独が生み出したものなのか、それとも─。