◆世界に通用するメード・イン・ジャパンアニメ
「歴史があり、そして誰からも愛されている作品が、再び劇場アニメーションとして形になることを非常にうれしく思います。その中で主人公・ガンバ役として名前を挙げていただけたことも、本当にうれしかったです」
と、顔をほころばせるのは梶裕貴。'72年刊行の児童文学『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』は子どもはもちろん、大人をも魅了。そして、'75年には『ガンバの冒険』としてアニメ化され、人気を博した。
あれから40年。製作期間に10年を費やしたという超大作3DCGアニメーション『GAMBA ガンバと仲間たち』が新たに誕生する……!
「主役はネズミたちなんですが、それを忘れるくらいの人間ドラマ!(笑い)ネガティブなものを含めて、リアルに生々しく描かれているのが、この作品のよさだと思います」
世界に通用するメード・イン・ジャパンアニメだと自信をのぞかせる。声優を志した理由を尋ねると、
「子どものころから、夢を持って、それに向かって頑張ることが好きだったんです。漫画家になりたいと思ったら絵しか描きたくない、みたいな(笑い)。
そして、中学生のときに“声優は何を頑張っても全部が自分の力になる職業”だと知って。いろいろなことに興味があって、気づくと没頭してしまう自分にピッタリなんじゃないかと思い、声優を目指し始めました。そしてそれ以来、その夢が変わることなく今に至る感じです」
◆結婚? 小さいころから憧れています
過去には写真集を出したこともあるほどのイケメン声優だが、
「自分では全くそうは思いません(笑い)。人それぞれ感じるものは違うと思いますし。僕は何よりも、自分が関わった作品をご覧いただきたいという気持ちが強いです。そして“いいお芝居でした”と言っていただけることが、いちばんうれしいことなんです」
浮ついたところがまるでなく、出演作への愛情と、声優としての誇りがひしひしと感じられる。9月3日に30歳を迎えたばかり。
「小さいころから結婚に憧れはあったので、それを現実に変えられるような相手さえ見つかれば、いつかはしたいなと思っています。30代といえば……もう大人の男性。人間として新たに成長するためにも、機会があれば、と思っています」
◆“ガンバ”であると同時に“エレン”です
梶は、アニメ『進撃の巨人』の主人公エレン・イェーガーの声優としても知られている。
「“エレンの声をやっています”と言うと、アニメファン以外の方々にも理解していただけることが多いです。普段なかなかアニメに触れる機会がなかった方々にもご覧いただけている思うと、とてもうれしく感じます。
もちろんアニメだけではなく、吹き替えなども含め“声優ってステキな職業なんだ”とご理解いただきたいという思いがあるので、そのきっかけになってくれた作品という意味で、本当に感謝してますね」
(撮影/佐藤靖彦)
作品紹介『GAMBA ガンバと仲間たち』
街ネズミのガンバは、親友・マンプクとともに海を見る旅に出る。港で船乗りネズミの集まりに顔を出すと、全身傷だらけの忠太に“イタチのノロイ一族に襲われた仲間を助けてほしい”と訴えられる。誰もが及び腰だったが、ガンバだけは……。声の出演/梶裕貴、神田沙也加、野村萬斎ほか。10月10日(土)2D/3Dロードショー
(c)SHIROGUMI INC., GAMBA