■3、半歩先の目標設定がモチベーション維持に効果アリ

 夢は大きく持ちながら、目標は現実的に。

「箱根駅伝では、全員が1万メートル平均タイム29分を切らないと優勝は狙えないんですよ。だけど、そこにすべての選手の目標を合わせようとしたら失敗します」

 チーム50番目の選手にエース基準の目標を書かせたら、ウソになる。実現可能な目標設定の更新が重要となる。

半歩先を目標にさせてください。2歩先、3歩先より、手の届きそうな“半歩先”

 無理な目標設定ではモチベーションが保てない。

「家庭内でも、兄が東大、弟が三流大学くらいの偏差値だとします。そのとき、弟に兄と同じ目標を掲げさせてはダメ。その子の実力の半歩先を目指す癖をつけてあげるんです。目標をクリアしたらほめて、また半歩先をみる。その繰り返しで目標を達成する喜びを覚えれば、気がつくと兄と同じ東大に行けるレベルに到達しているかもしれない」

■4、挫折や停滞期の緩みには、こまやかなサポートを!

 中学時代にトップクラスの成績でも、高校に入るとついていけなくなることもある。そこでうまく道を指し示すのが親の役割だ。

「“なんで成績が落ちるんだ!”と責めてしまうと、ますます落ち込んでしまいます。必ず外的要因があるんですよ。友人関係、恋愛関係など、いい出会いも、悪い出会いもある。結果だけを怒るのではなく、その子が傷ついたポイント、挫折したポイントを見つけてあげてください

 気が緩んでいるとわかったら、さり気なく活を入れる。大事なのは、自主性と自由をはき違えないこと。

いつまでもテレビを見ている子どもに“いいかげんに勉強しなさい!”と突然、電源を切ったら逆効果。そんなときは“何分後から勉強する?”と期限を設けさせる。もし“2時間後”なんて言い返してきたら、さすがに叱ってもいいですよ(笑い)」

■5、伸びるタイミングを見逃さずに、集中持ち上げ!

 子どものヤル気スイッチが入ったら、ここぞとばかりに自信で塗り固めてあげる。

「“俺は東大に行くんだ”と言い出した子に“それは無理じゃない?”なんて冗談でも言ったらダメ。“じゃあ勉強頑張らないとね。行けるわよ!”と、その気にさせてあげてください。そうすれば、勝手に実力を伸ばします

 伸ばすためには、厳しくすることも大切。もちろん、叱り方にもコツがある。

叱ってもいいのは、何度も同じ過ちを繰り返すとき。“自分が悪かった”と気づかせる叱り方をするべきです。頭ごなしじゃなく、“小さなミスの積み重ねは大きなミスにつながるよ”という言い方