■わずかな量に驚きの栄養価
最近、ふつうのスーパーでもチラホラ見かけるようになったチアシード。アメリカでは、ハリウッドセレブたちがこぞって食生活に取り入れて大ブームに。日本でもローラや道端アンジェリカがおすすめして、急速に注目度がアップしているスーパーフードだ。
チアシードは、ごまより小さい粒状で、メキシコ原産のチアというシソ科の植物の種。無味無臭だが、とにかく栄養価が豊富。紀元前から大切な食糧のひとつとして、時には薬用として栽培されていたらしい。
チアシードのすごさは、まず食物繊維の量が多く、しかも水溶性と不溶性、両方の食物繊維を含んでいること。しばらく水につけておくと食物繊維が変化して、粒はふやけて周囲がとろりとしたゼリー状になり、10倍ほどにも膨らむのだ。体内に入ると満腹感が続いて便秘も解消するのでダイエットのサポート役にぴったり。しかもコレステロール値を下げる、血糖値を改善するといった働きまである。なによりチアシード15グラム(大さじ1杯強)には食物繊維が5.6グラム含まれるが、ゴボウなら100グラム(1/2本)食べて5.7グラム。チアシードはわずかな量で食物繊維を効率よくとれるというわけだ。
さらに注目したい成分がオメガ3脂肪酸のひとつ、αリノレン酸。中性脂肪を減らすほか、アレルギー症状を抑えたり、脳を活性化したり、さらにはアンチエイジング効果も期待できる脂質だ。亜麻仁油、えごま油にも含まれるが、チアシードなら1日約大さじ1杯で十分に適量が摂取でき、エネルギーは57キロカロリーと控えめなのだ。
そのほかカルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルの含有量もかなり多く、美肌効果や免疫力のアップ、骨粗しょう症の予防などさまざまな効果がありそうだ。さらに抗酸化物質、タンパク質、ビタミンもバランスよく含まれる。
■1対6の黄金比率でベストなとろみ具合に!
チアシードはそのまま料理にトッピングしたり、混ぜて食べても大丈夫。でも、食べるときに満腹感を得たいなら、あらかじめ水でふやかしておくのがおすすめ。料理研究家・ほりえさちこ先生に、基本的な使い方を聞いてみると、
「チアシードと水を1対6の分量で合わせてふやかすと、いいとろみに。プチッとした歯ごたえを感じたいときは20~30分、トロトロにするならひと晩おくといいですね」
水を合わせて10分ほどしたら、固まらないようかき混ぜるのがコツ。
「味がないので、どんな風味のドリンク、スイーツ、料理に入れてもジャマしません。特にとろみのあるドリンク、ポタージュ系のスープは食感が合うのでは。汁物には加熱の途中ではなく、最後の仕上げに加えるのがおすすめです」
■チアシードで作るDRINK
最後に、ほりえ先生が考案したレシピをご紹介します。とろみのあるスムージーやコクのあるミルクティーにプチプチ食感をプラス!
*レシピはちょっと多めの1人分です。
ベリーベリーチアスムージー
▼材料(1人分)
チアシード…小さじ1(大さじ2の水でふやかしておく)
いちご、ブルーベリー、ラズベリー…合わせて100グラム
牛乳…3/4カップ
はちみつ…大さじ1
▼作り方
(1)いちご、ブルーベリー、ラズベリー、牛乳、はちみつをミキサーで撹拌する。
(2)ふやかしたチアシードの半量を加え、サッと撹拌したらグラスに注ぎ、残りのチアシードを上にのせる。
▼ココがPOINT
ブルーベリーやラズベリーは冷凍品でOK。撹拌しすぎず、ベリーのつぶつぶ感を残して。
ココナッツチアミルクティー
▼材料(1人分)
チアシード:小さじ1(大さじ2の水でふやかしておく)
ココナッツミルク(缶):大さじ2
牛乳:1/4カップ
砂糖(あればてんさい糖):小さじ2
紅茶の茶葉:5グラム
▼作り方
(1)沸騰した湯150ミリリットルに茶葉を入れて紅茶を作り、4分ほど蒸らしたら、茶こしで茶葉を除き砂糖を加える。
(2)グラスにココナッツミルクと牛乳、チアシードを入れ、氷を加える。
(3)1の紅茶を2に注ぎ、ストローで軽く混ぜる。
▼ココがPOINT
仕上がりに“層”ができるよう、紅茶は静かに注いで。茶葉はアッサムなどインドのものがおすすめ。
(撮影/佐々木みどり)