■1週間で味覚が敏感に変化!
高血圧の予防・改善には、“減塩”が大切です。しかし、薄い味つけの食事ばかりでは、濃い味が恋しくなって長続きしないものですよね。そんな「高血圧は気になるけれど、塩分は控えたくない」という人に朗報!
最先端の科学とユニークな実験で、日常の疑問を徹底的に調査するNHKの人気番組『ためしてガッテン』で以前、紹介された「ゼロしおレシピ」が注目を集めています。今までの減塩食事法の常識をくつがえす、その放送内容とは? なんと、塩を減らさない驚きの減塩法と、塩分調味料を一切使わない極うま調理法でした。
番組で紹介した味覚の感度に関する調査結果(近江八幡市立総合医療センターで減塩治療した56人が対象)では、この減塩法を1週間した後には、薄い塩味を感じられる人が6割になっていました。
この、無理せず楽しく“減塩”できる秘策とは、いったいどんなものなのでしょう?
■メリハリをつけて脳の味覚野を満足させる
減塩というと、すべてのおかずを薄味にしがちですが、これが減塩に挫折してしまう原因になります。減塩を楽しく長続きさせる秘策は、
「好きな一品は塩を減らさず普段どおりに味つけし、そのほかは塩分を抑える」
というものです。脳には、おいしいか、おいしくないか、を決める「(二次)味覚野」という部分があります。ここは「記憶」の分野ともつながっていて、味以外に、見た目、音、匂い、言葉、記憶などの情報もあわせて、おいしいか、おいしくないかを決めています。そのため、好きな品が今までどおりの味なら、たとえ他の品が減塩されていても満足できるのです。
■塩のかわりに酸味や風味、うまみや刺激を生かす
塩分調味料を一切使わない「ゼロしおレシピ」は、塩のかわりに酸味や風味、うまみや刺激を生かします。減塩お助け調味料としておすすめなのは、粒マスタード。辛み、うまみ、酸味のバランスがよいので味に深みが出ます。また、香ばしくてコクのあるごまもおすすめです。
減塩は、食材や調理法を上手に使い分けるのもポイントです。例えば、脂分のある青魚や豚ロース肉、うまみの多い鶏肉などは、コクが物足りなさを補ってくれます。以下の基本テクニックを参考にして、ぜひ試してみてください。
★「ゼロしおレシピ」基本テクニック
【減塩しやすい食材】青魚、鶏肉、豚ロース肉、貝類、色の濃い野菜…など
【減塩しやすい調理法】焼きもの、炒めもの、揚げもの、あえもの、酢のもの
【うまみ、刺激を活用】うまみ=ごま、かつお節、みりん、昆布…など
刺激=マスタード、レモン、さんしょう、酢…など
■「ラべリング効果」でよりおいしく!
さらに、減塩料理を振る舞う際におすすめのワザがあります。それは、「よいダシを使ったよ」など、おいしそうと感じる言葉を伝えること。これは「ラべリング効果」といい、脳の(二次)味覚野の満足度が上がって、よりおいしいと感じるのです。
逆に、言ってはいけないのは、「減塩したよ」という言葉。減塩を意識してしまい、おいしくないと感じやすくなってしまいます。減塩が苦手な人も健康になれるワザを、ぜひお試しください。
※腎機能が衰えている場合は、急激な減塩は悪影響があるので、医師にご相談ください。