'94年に幼馴染みの有吉弘行と『猿岩石』を結成した森脇和成。'96年に『進め!電波少年』(日テレ系)のヒッチハイク企画で大ブレイクしたものの、'04年にコンビを解散し、芸能界を引退。その後は水商売の経営や、卸売業者で営業などサラリーマン生活。また、その間に結婚して一児の父に。そして離婚も経験。そんななか、'15年の10月に放送されたバラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』(日テレ系)への出演を皮切りに芸能界復帰を果たした。森脇はこれからどのようにして芸能界でポジションを獲得していくのだろうか? 本人インタビューを行った。
——これからの課題はありますか?
「自分って理解してもらうまでに時間がかかるタイプなんです。誤解されやすいんですよ。普段から自信家に見られがちなんですけど、まったく自信がないですし、超ビビリ。
たぶん、感情が表面的な態度に出ていないんですよね……。努力はしているのですが、バラエティの現場ではこういうのって致命傷です。美味しいご飯を食べていても、それがあまり美味しそうに見えないみたいですし。遊園地でも自分は楽しいんですけど、楽しそうに見えないって昔から言われていますよ」
——芸能界での人付き合いとかはしているんですか?
「芸能界の友達はほとんどいないですね。正直な話、めんどくさいですよ、芸能人は気をつかわないといけないし。サラリーマンの場合でいうと、取引先の方たちと飲みに行くのと同じですよね。
特に相手が女性だと、週刊誌から写真を撮られたりしますし、自分は良くても相手に迷惑をかけたりするじゃないですか」
——復帰していきなりスキャンダルはマズいですね。
「ザ・芸能人みたいな人もちょっとなぁ……。招かれたときはそういう場に行きますけど、芸能人ばかりが集まっているお店とかに自分の足で向かうことはありませんね。近所のお好み焼き屋さんとかで十分ですよ。
でも、これからは芸能界で生きていくので、そればっかり言っていてもしょうがないので、頑張って人付き合いしていこうかと思っています。そのなかで親友と呼べる人ができるかはわかりませんが、とりあえずドアだけは開けておこうかなぁと思っています。とは言え、どちらかというと、放送作家さんとか裏方の人たちと仲よくなりたいですよね」
——舞台裏のスタッフ。それは何故でしょうか?
「20代のときの自分と明らかに違うのは"意識"ですね。『猿岩石』のころって、僕はただ仕事をこなしていただけで、番組に対して向き合っていなかったところがありました。本当にしょうもない感じでしたよ。
でも、もう40代ですし、きちんと作り手さんたちと一緒に考えて、その仕事にコミットしていきたいと思っています。台本を読んで、“ちょっと意味わからないけどなんとかなる”みたいな態度で収録や取材に臨むのではなく、理解したうえで臨みたいし、終わったあとに駄目出しもしてもらいたいです。もちろん自分からもバンバン聞きますし」
——制作陣と向き合う姿勢というのは大切そうですよね。
「まずは、仲良くなりたい。仲良くなったほうが指摘してくれるじゃないですか。それくらいの関係を築いていきたいですね。最初はお互いに面倒くさいかもしれないですけど、気心がしれちゃえば納得いくものを作ることができるんじゃないでしょうか。
これからは、大人としての仕事をしたいと思っています。サラリーマン時代に学んだ、相手と向き合うという姿勢を活かしていきたいです」
——多くのサラリーマンに響くと良いですね!
「僕は数年間、モノを売る卸しの仕事をしていたんですけど、そもそもが会社のお金で仕入れた商品なので、自分の判断で勝手に安くできないし、卸先の会社でも売れてもらわないと困る。そういうところで、責任感みたいなものも学ぶことができたのも大きいです。
そして、謙虚さも学びました。サラリーマンをやっていたときの社長が“謙虚に”と言って僕のことを芸能界に送り出してくれたんです。ずっとサラリーマンをやっていればよかったのかもしれない。でも、芸能界復帰は、あえて“いばらの道”を選びました。
もう自分も40代なので折り返し地点。やりたいことをやるんだったら、冒険ももう最後なのかなぁ。今年は良い一年にしたいと思います」