「タクシーの車体を蹴ってへこませた器物損壊の疑いで、北海道警稚内署は7月2日、酔っぱらっていた男を逮捕しました」(全国紙記者)
泥酔トラブルかと思って駆けつけた署員も驚いただろう。捕まったのは、菊池広志容疑者(57)。青森県むつ市議を5期務めている現役の議員だった。
菊池容疑者は同日午前1時40分ごろ、稚内市中央1丁目の路上でタクシーに乗り込んだ。運転手が行き先を尋ねてもしばらくしゃべらなかったという。複数回尋ねると、
「むつへ行ってくれ」
だが、稚内市からむつ市までは710キロ以上。片道約15時間かかる。
運転手が「青森までは走れません」と断ると、腹を立てた菊池容疑者は降車。車外を1周したあと、運転席側のドア付近をガンガンと蹴り始め、その後、通報で駆けつけた同署員に現行犯逮捕されることに。
「菊池容疑者は1日に稚内入りしていました。2日から3日に視察が控えていたんです」(同市議会事務局)
次の日から仕事なのに、初日に酔っぱらって地元に帰ろうとしたわけか。逮捕後は、
「3日に運転手と示談が成立し、被害届を取り下げてもらったと聞いています」(同前)
そして4日には辞職願を提出し、受理された。
「今回、もしタクシーで帰ってきたとしても、何十万円とかかる。それは経費とは認めません。おそらく、酔って自宅の近くにいるつもりになったのでしょう」(同事務局)