注目を集めるキッカケとなったのが、“現代の飛脚”を名乗り、ふんどし姿で飛脚サービスを開始したこと。
「たまたま普段からふんどしを穿いていて、ふんどしを広めるために何かできないかな? と考えていたところ“それなら飛脚がいいんじゃない?”と知り合いに提案されて、高1の夏に飛脚業をスタートしました」
知り合いを介して『朝日新聞』で紹介されると、多くのメディアで取り上げられるように。しかし、茨城県・水戸市在住にも関わらず、何故か飛脚業の活動拠点は東京。
「どうせ飛脚をやるなら、多くの人の目に触れたほうがいいだろうと地元・水戸ではなく、東京で活動することにしました。最初の頃は配達先のビルの警備員に止められたりしましたけど、届け先の方には意図をわかってもらえて面白がってくれました」
届けた配達先でまた営業をして……といった風に仕事を増やしていったというハナワくん。そして今年に入り、『アウト×デラックス』、『ワイド! スクランブル』と全国放送のテレビ番組に続けて取り上げられた。
「地元の友だちからは「すごいじゃん」と言われましたね。でも、同級生にはもともと変わった奴だと思われているんで、僕に対する反応はあまり変わりません(笑)」
飛脚として活動する一方、高校1年生のときに起業。現在、高校3年生にしてデザイン会社の取締役社長という一面も持つ。
「本業であるデザインのお仕事のオファーは、おかげさまでかなり増えました。今は高校に通いながらやっているため、全ての仕事をこなせないので待ってもらっているところもありますが、メディアで取り上げられるようになって2倍近くは増えました。依頼先は東京の会社から個人のお仕事までさまざまですね」
さらに中学生の社員までいるというから驚きだ。
「東京在住のプログラマーです。彼はアプリなどの開発を担当しています。簡単なものだと1日で開発できるみたいです。彼とは僕も参加したイベントで知り合いました。普段は東京で作業してもらっているので、僕が飛脚で東京に行った時に会うぐらいですけど」
ハナワくんの会社『飛脚堂』ではロゴ制作やフライヤー、名刺のデザインなどを行うがデザインは独学で学んだという。ちなみに高校卒業後は、美大ではなくSFCの入学を考えているそうだ。
「多角的にいろいろなことを学んで、デザインに生かせればなと思っています。そして将来は広報やPRなどデザインに関連した仕事を飛脚堂でできればいいですね」
今後は、本業であるデザイン業にウェイトを置こうと考えているため、飛脚業はそろそろ辞める予定だというが、最後にこんなメッセージを。
「交通費を負担してくれれば全国どこでも行きます。美味しいものを食べるのが好きなので、北陸新幹線も開通したし、日本海側とかいいですね(笑)」