《沼津での生活は、私に諦めないことの大切さを教えてくれ、大きな自信を与えてくれました》

 学習院初等科の卒業文集で、6年生の夏休みに静岡県沼津市の海岸で行われた伝統行事「沼津遊泳合宿」を、そう回想された皇太子ご夫妻の長女・愛子さま。

 それから2年がたち、学習院女子中等科2年の夏休みとなった今回、8月1日から4泊5日で愛子さまは再び同じ行事に臨まれることになる。学習院関係者が説明する。

「沼津での合宿は、120年以上続いている学習院伝統の臨海学校で、学習院出身の皇族方も経験されています。 女子中等科では2年と3年の夏に行われ、希望者対象ですが、ほとんどの生徒が参加します。沼津遊泳場で4泊5日の集団生活をしながら、平泳ぎの古式泳法の練習を積み、最後に目標距離ごとに分かれて隊列を組みながら、遠泳を行います。女子中等科では毎年、多くの生徒が3キロに挑戦するそうです。男子は"赤フン"と呼ばれる赤いふんどし、女子は紺色の水着に赤い帯を腰に巻いて挑戦します」

 合宿中は午前6時に起床し、朝礼と朝食後に午前中2時間の水泳特訓。昼食と午睡のあと午後にも2時間、海での練習を繰り返し、夜の8時には蚊帳を張って消灯という過酷な日々で、泳力以外にも忍耐力や協調性が養われるという。

《初日から練習は厳しく、海に入りたくないと思う時も少なくありませんでした。ただ楽しかったのは、友達との生活と食事、お風呂でした》

 とも冒頭の作文で述べられている愛子さま。初等科時代は運動会でリレーの選手に選ばれ、バスケ部で活躍するなどスポーツウーマンのイメージがある愛子さまだが……。

「愛子さまは以前から水泳が苦手で、プールの授業を欠席することもあり、遠泳には不安をもたれていたようです」

 と明かすのは宮内庁関係者。

20150811 aikosama
静岡県伊豆半島の先端にある須崎御用邸での夏のご静養は、ほぼ恒例に(’13年8月)

「しかし、皇太子さまの猛特訓や須崎御用邸のプライベートビーチでの練習のかいあって、2年前は目標の500メートルを泳ぎ切り、ランクも上がりました」(同)

 卒業生や先輩からの「しっかり泳げ~!」のかけ声に、「オ~、オ~」と水面から顔を出し険しい表情で応じられていた愛子さま。

「女子中等科に進級してからも、水泳の授業や泳力テストなどがあり、沼津合宿に向けた準備を進められてきました。愛子さまは今回、500メートルから一気に3キロまで距離をのばすことができれば大きな飛躍になりますね」(前出・学習院関係者)

 初等科のときは、保護者の見学日があり、皇太子妃雅子さま(51)も日傘にサングラス姿で見学されていたが、中学生には設けられていないという。

 そんな状況で、愛子さまは2年前より長くなった距離を克服することができるのだろうか─。

「1960年代の後半から天皇・皇后両陛下は、まだ幼い皇太子さまや秋篠宮さまを静岡の浜名湖に連れて行って、陛下が自ら泳ぎを教えられていました。皇太子さまも、愛子さまに水泳の特訓をされたことがあるそうなので、代々伝わる古式泳法について、愛子さまから佳子さまにご質問があったかもしれませんね」

 秋篠宮家の次女・佳子さまを引き合いにそう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさん。

「学習院の遠泳合宿は、昔から規律やルールが厳しいことでも有名です。佳子さまは学習院OGとして、愛子さまに何かお教えできることがあるかもしれません」

 渡辺さんが言うように、最近、愛子さまはファッションや髪型も佳子さまの影響をお受けになっているようで、水泳も佳子さまを"お手本"にすることがあるかもしれない。

 昨年の夏に、幼稚園から通っていた学習院を中退し、国際基督教大学(ICU)に入学された佳子さま。

「ICUでは体育が必修で、1学期にすでに水泳の授業も受けられているはずなので、まだスイマーとしても"現役"の佳子さまです。ご身位の違いはありますが、姉のような存在の佳子さまに、愛子さまがアドバイスをお求めになることがあるかもしれません。愛子さまも佳子さまも、スマートフォンをお持ちなので、LINEなどでの情報交換は可能なはずです」(皇室ジャーナリスト)