――加藤さんにとって2人目にあたるお子さんが、今月出産予定ですよね?
「……あの……いま、話し合いが進んでますので……」
ステージでは熱のこもったパフォーマンスを見せる加藤だが、質問に答える声はハリがない。それでも逃げることなく向き合ったのは、ファンモンのヒット曲『ちっぽけな勇気』を思い出したのだろうか。加藤は、《引っかかってんなら変えてこう 一歩ずつ前へと》と歌っていた。
――母親は奥さまでなく、“Aさん”という方ですよね?
「ちょっと当人同士で……話し合いは、え~……させてもらってまして……。ンッ(咳き込み)、また、何かしらで、こちらから発表はさせていただこうと……」
――Aさんは、アンタッチャブルの柴田さんの元奥さんですよね? 出会いはどういった経緯で?
「僕からはちょっとそれは……。あの、発表は控えさせていただこうかなと思います。また必ず、何かしらの形で……(発表)させていただきますので……」
――お相手のAさんには、「なんとかする。こまめに連絡するから」と言ったそうですね? しかしその後、連絡がとれない時期があったと聞きました。
「あの……いま話し合いをしていますので……」
――高額の慰謝料をお支払いになったそうですが。
「そうですね、あの……ちょっとまた……改めて発表させていただきます」
――発表されるのはいつごろになりそうですか?
「なるべく早めに。必ず……」
――加藤さんご自身の口で発表するのですか?
「……はい、そうですね。必ず……させていただきます」
最初から声はかすれがちだったが、話しているうちにさらに音量が下がっていった。
――生まれてくるお子さんの認知はされるんですか?
「……それも含めてまた、発表させていただきます……。スミマセン……」
最後は消え入るような声で答えながら、犬の散歩を途中でやめ、自宅へ戻っていった。
加藤は別の日には車で外出している。子どもを抱きかかえ、ベビーカーを持って出かけていった。妻も一緒に買い物へ行ったようだが、家庭に不協和音が生じている様子は見えなかった。
今回の不倫、そしてAさんの妊娠について加藤の所属事務所に問い合わせると、
「本人より、不倫関係にあった女性との間で子どもを妊娠し、認知するという報告を受けております。先方さまとは弊社も含め、誠心誠意、対応させていただくべく、すでに話し合いを進めさせていただいております。ファンのみなさまには大変なご心配をおかけしますことを、心よりお詫び申し上げます」
大人たちの事情とは関わりなく、新しい生命は間もなく誕生するだろう。加藤は歌を通じて、新しい愛の形を表現するのだろうか。