TENGAの取締役・佐藤雅信さんも、「少ない……気がします。体調や環境で変化もしますし、何度か観察して気になるようでしたら病院で検査をしてみてください」と促す。
「この製品は医学的な判断をするものではありません。あれ? 少ないぞと思ったら病院で検査していただきたい。自分の精子の状態や、結婚や妊活について考えるきっかけになればと思っています」
創立当初から医療やヘルスケア分野への進出は計画にあり、今回の商品もその一環。
「獨協医科大学越谷病院の小堀善友先生から、病院で精液所見を検査した数値とボールレンズで見た精液の状態に、相関関係が認められるとのお話をいただきました。そこで、スマートフォンで簡単に観察できるものを商品化できないか、と開発へつなげました」(佐藤取締役)
今後は男性不妊に関する認知のための啓発活動に取り組む予定だ。
「まじめな部分だけでは広がらないと思い、まずは楽しくというところも大事にしています。高校生の性教育で使用したり、カップルで見ることでお互いに考えるきっかけのひとつになれば」(佐藤取締役)
日々の暮らしにサービスや情報を提供する『リクルートライフスタイル』も、精子検査キット『seem』を手がけている。
販売しているキットと無料で提供されるスマートフォンのアプリを連動させ、精子の運動率、濃度などを計測する仕組み。今度は後輩記者(26)がさっそく試してみると「精子濃度2480万パーミリリットル、運動率0%」という結果に……。
つまり精子そのものは濃いが、まったく動いていない? 信じたくないという思いを抑え『seem』の開発を担当したネットビジネス本部の入澤諒さんに聞いてみた。