“この人にはこうしておけばいいんじゃないか”と損得で考えてしまうのは礼儀ではなく、体裁ですね。たけしさんはそれが見えたから、つい指摘したんだと思います。多少マナー違反でも、誠意と思いやりがあればそんなに悪い気持ちにはならないと思います」(岩下さん)

 有吉が若手芸人に苛立ったのも義務的に挨拶に来る姿勢を見抜いたからなのだろう。

 イマドキの若者の行動や言動をどう感じているか、『週刊女性』の読者ハガキで女性たちにもアンケートを取ってみた(有効回答数471人)。「若者の行動や言動を非常識だと感じますか?」という質問に「感じる」と答えた人が58%と過半数を超えた。嫌な思いをしたという声は多い。

「挨拶をしない。年上でも普通にタメ口でしゃべるのはちょっと……」(40代/主婦)

 ローラをまねしているわけじゃないだろうけど、タメ口の若者は多いようだ。親がキチンと教えなければいけないという指摘もあった。

「歩道でスピードを出して自転車を走る人がいるのですごく危ないし、歩きスマホでぶつかっても謝らなかったり」(30代/パート)

 歩きスマホと自転車の暴走への苦情も多かった。どちらも事故につながりかねない危険な行動だ。

「電車の優先席に平気な顔をして座り、老人や妊婦を見ても譲ろうともしない」(60代/主婦)

「電車の中でヘッドフォンから音が漏れているのは大迷惑!」(30代/会社員)

 公共交通機関でのマナーの悪さは、悪化の一途。

「新入社員の身で上司よりも遅くギリギリの時間に出社して、自分から挨拶ができない後輩がいて非常識です」(30代/会社員)

 やはり若者のマナーが悪くなってきているように思えるが、礼儀正しく思いやりのある若者を見たという声も。

「優先席でなくても老人に素早くシートを譲る方をよく見ます」(50代/主婦)

 優先席に居座る若者ばかりではないようだ。

「私はコピーもパソコンも苦手なアナログ派。若い人によく教えてもらっていますよ」(60代/主婦)

「道がわからず迷っていると、若い子がスマホで調べて教えてくれました。ほっこりです」(60代/主婦)

 デジタルの知識を活用するのは若い世代ならでは。立派な行いをする若者だってたくさんいるのに、礼儀知らずが目立ってしまう。彼らにはどうやって接すればいいのだろうか。

「先に生きる人間としては、若い方に幸せに生きてほしいと思っています。若い人は年上の方に言われたら注意じゃなくてアドバイスだと受け取ってほしい。大人の条件は、自分の感情をコントロールできること。マナーや礼儀は、先に生きている人が若者に教えてあげるのがいいですよね」(岩下さん)