ウルフマンは初登場時、キン肉マンを挑発するパフォーマンスとして、千代の富士を彷彿とさせる鋼の筋肉を披露し、読者たちに強烈なインパクトを与えた。
その後、作中では残念ながら白星に恵まれる機会は少ないものの、キン肉マンファンには愛されるキャラとして存在し続け、連載終了後も彼のフィギュアが発売され多くのファンが購入した。
そして、現在連載中の『キン肉マン』新シリーズ本編には、ウルフマンが登場しない展開に多くのファンが、彼の再登場を望んだ。
しかし、そんなファンの声に応えるように2015年の『グランドジャンプ』には、ウルフマンを主役に配した読み切り作品が掲載され、大好評を得た(作中では、彼が新シリーズに登場しない理由や引退劇が描かれている)。
これから何十年、何百年の時間が経過しても『キン肉マン』が、日本が誇る国民的漫画として残るのは間違いない。そして、この作品に登場するウルフマンを通して、千代の富士の存在と、その偉業は未来の子供達に、永遠に語り継がれることであろう!
ちなみに、ウルフマンは、アニメ版ではリキシマンという名前に変更されているが、その本当の理由は、筆者にも長年の謎であった。しかし、7月31日にゆでたまご嶋田先生が投稿したツイートに、その理由が述べられていた。
それによると、アニメ版での名前変更は千代の富士に配慮した自主規制とのことらしいが、後に嶋田先生が親方と面談した際には「ウルフマンでもよかったのに」という言葉をかけたそうだ。
これも千代の富士の寛大な人柄を現した、心暖まるエピソードであろう。
平山賢司(サブカルライター)(ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)