全校生徒266人中8割が女生徒という高校の教頭として赴任して2年目。担当教科は情報と社会。剣道の有段者で昨年は剣道部の顧問も務めた。福島市内に家族を残し、単身赴任していた。
「まじめで実直な人でしたね。教頭職も前任の高校から合計して5年目ですからツボを押さえた的確な仕事ぶりでした。まさかあの人が……」
と同校校長は肩を落とす。
動機もはっきりしない。捜査関係者は、
「奥さんとケンカしたとか、仕事が忙しかったとか、趣味のマラソン大会で思うような結果が出なかったとか言ってますけど、これっていう明確な動機につながるものはない。事件直前、家族でファミレスで食事をしたみたいですし、奥さんもそんなこと(ケンカ)はないと言っていますし」
仕事の忙しさはどうか。
「周年の行事が控えて忙しい時期であったかもしれませんが、教頭の仕事の範囲としては問題のない仕事量であると判断しました」
と県教育委員会。「再発防止に努めます」と約束したが、どんな再発防止の手を打つのか。
事件現場のパチンコ店は、小さな対策に乗り出した。
「記者さんの車のナンバーも、さっき控えましたよ。見たことない人が来ると、また同じようなことが起こるんじゃないかって怖くて」(女性店員)