常連店のひとつで、週に1度は通っていたと報じられた、東京・浅草のふぐ、スッポン料理店『つち田』。ここでも、主人の土田裕さんとの男同士の付き合いがあった。

「親方が最初に店に来たのは10年くらい前です。最初は後援会の方と一緒に来られたのですが、週1でスッポンを食べに来るようになったのは、それから1年くらいしてからでした」

 それはこんな理由があったからだった。’07年6月、土田さんは父を亡くし、店を継ぐ。

「翌月に親方が来られたときに、父が亡くなったことを報告すると、"そうか、応援してやるから頑張れや"と。

 それからは、言葉どおり毎週のようにご自分で予約されて来られるようになったんです。私を応援するためにと、いろいろな方を連れて店に来ていただきました。もちろん、ご家族と仲よく一緒のときも」

 現役時代は"土俵の鬼"と恐れられた親方だったが、土俵を離れると"鬼"や"狼"のイメージとはかけ離れた優しい姿を見せていたのだった。

 そして、彼に対し、酒井さんも土田さんも抱いている気持ちは同じだった。

「感謝の気持ちでいっぱいです」