普通は太平洋沖でしか起きないM8クラスの海溝型地震が

 1360万人もの生活者の真下で、熊本地震のような内陸型直下型地震は、発生時期がまったくわからないという恐怖とともに息を潜める。

「普通は太平洋沖でしか起きない海溝型地震が関東大震災(1923年)、元禄関東地震(1703年)も人が住んでいる下で起きた。M8クラスの地震が直下型として起きる地理的な理由が首都圏と静岡県・清水の下にある。首都直下では、東京23区の東半分すべてが震度7ということがありうるかもしれない」

 そう警鐘を鳴らし、揺れと同時に津波にさらされる首都圏のもろさを説明する。

「東京湾の嫌なところは、数十センチの津波が起きたとしても、その被害が非常に大きいところ。東京湾の9割以上は人工海岸で、コンビナートや火力発電所、港など、津波に弱いものがみんな海岸沿いにある。数十センチでもやられてしまう」