「ずっと好きでした」と言われて
──信子さんはどういういきさつで?
信子 うちは夫が自営業で、私は事務を手伝っているんです。3人ほど社員がいまして、その中の1人と……。
※信子さん(52歳):結婚28年。ひとり息子はすでに独立。
一同 おお!(笑)
あかね ご主人の目をかすめて、こっそり?
信子 そうですね。夫は社員に対しては親方気質のいい上司なんですけど、夫婦関係では私、ずっと我慢の連続だったから。
──横暴な夫だったとか?
信子 ええ。サラリーマンから独立するときも事後報告だし、手はさすがに上げなかったけど、言葉の暴力、ずいぶんひどいことを言われましたよ。私のことをバカとか常識がないとよく言って「親はどういう教育をしてきたんだ」って。そういう夫のほうが外面はいいけど、子どものこともまったくかまわず飲んだくれて、朝帰りもしょっちゅうだったし。
智子 大変だったんですね。
信子 3年前、息子が就職して家を出ていったとき、私も離婚しようと思ったんです。それで夫に今までどれだけ我慢してきたかをぶちまけたら、夫は自分の言ったことをほとんど覚えてなくて。あげく、「離婚なんて言わないでほしい」と泣かれちゃって……。
智子 なんだかんだ言っても信子さんを頼っていたんでしょうね。今さら別れたらどうしていいかわからないなんてね(笑)。
信子 そうですね。ちょうどその前後にうちの会社に入ってきた40歳の男性がいて、この人が本当にいい人なんです。それで好意をもってしまって。
──どうやって親しくなったんですか。ご主人がいるわけでしょう、いつも。
信子 夫は外回りも多いんです。たまたま彼とふたりきりになったことがあって、ふと見つめ合ってキスしてしまった。「ずっと好きでした」と言われて、私もとろけるような気持ちになりました。