深夜2時を過ぎると40代くらいの女性2人も来店。さらに騒がしくなり、奥の半個室にいた男性客が店員を何度呼んでも声が届かない。仕方なく注文するために出ていくと、気づいた小泉が振り向いて「どうされました?」と優しく声をかける。呼んでも店員が来てくれないことを話すと、
「あら~そうなの~。あっちの部屋にいるからたぶん聞こえないんだろうね。もうちょっと待っててくださいね」
まるで店の従業員であるかのような手慣れた対応だ。いつも来ているから、店の中は勝手知ったるものなのだろう。
これを聞いて、豊原も絶妙な連携プレーを見せる。
「中に入って勝手に酒つくっちゃえ!」
カウンターの中を指さして大声を出す。テキトーな発言も含め、酔っぱらいな対応がイイ感じ。小泉と息のピッタリあった掛け合いで、店にとってはまさに“神客”だ。
「バーのオーナーは、映画監督や脚本家として活動する松浦徹さんという方で豊原さんと同じ事務所。
3年前にバーをオープンしてから、親交のある若手俳優や女優さんたちが集うお店になったようです。小泉さんと豊原さんは松浦さんと同い年で、特に仲がいい。ふたりはよく一緒に飲みに来ているようですよ」(バーの常連客)
『P』では、ふたりのこんな様子はいつものことのようで誰も気にとめていない。深夜3時過ぎ、豊原が会計をすませて出ていく。小泉もすぐに後を追って店を後にした。