遺体の身元が不明なら「行旅死亡人」
四半世紀も廃店舗だった物件は、周囲に生い茂る草木が目隠しになって、白骨遺体の男性が「住みついていたのでは」と捜査関係者は話す。
電気もなく、水道もなく、ガスがなくても、食料をどこかで調達できれば、ホームレスにとって廃屋は雨露をしのげる絶好のねぐらになる。
だが、たとえそこで具合が悪くなったとしても、助けを呼ぶことはできない。たったひとりで動けなくなった身体で最期を迎え、発見されたときには白骨化している……日本社会のまぎれもないひとつの側面を、孤独死体が訴える。
せめてもの救いは、その男性が、畳の上で最期の時を迎えていたということか。
9月29日現在、白骨遺体の身元について、捜査関係者は「現在も捜査中で、身元などについてはわかっていません」としている。
身元不明の場合は、市の官報と掲示板に「行旅死亡人」として掲示される。