これまで常に自らの行動を律してきた陛下が、またも“意向”を示されることになれば、よほどのこと……。
9月26日に召集された臨時国会で、安倍晋三首相は、生前退位について「有識者会議」の設置を決めて、与野党を交えての議論を進める方針を示したが─。
「8月のお気持ち表明後の報道をみると、政府は今上陛下(現在の天皇)の退位に限定した特別措置法を制定する方向で進んでいるようです。
しかし、この特措法は憲法違反の可能性があるとも言われていますし、そもそも陛下のご意向に沿うものではないと思います」(山下さん)
陛下はおことばのなかで、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」
と、ご自身のことだけではなく、象徴天皇制度の今後のことも望まれているように読み取ることもできる。
山下さんが続ける。
「制度の見直しは、『皇室典範』の大幅な改正が必要ですが、政府は“国の根幹に関わることなので”“時間がかかるので切り離して”と、正面から取り組む様子はみられません」