築地市場の老朽化も待ったなし
小池知事の最終決断については「安全宣言なんて出せっこないよ。だって、歴代知事の尻ぬぐいをして責任まで取りたくないでしょ」と読む。
「日本人と魚は切り離せない。子どもに魚を食べさせようとおばあちゃんが干物の骨を抜いたり、おかあさんが魚を捌いたりして独自の食文化を守ってきた。給食の『食育』も始まったのに、移転を強行してイメージが悪くなり、市場の魅力が失われるのが心配だ」(65歳男性)と話す。
しかし、1935年開場の築地市場は老朽化が激しい。建物にはアスベストが使われており、地震などで崩れたときに飛散するおそれが指摘されている。開放型市場のため、衛生面を心配する声もある。
別の仲卸で働く男性(50)は言う。
「ドブネズミとクマネズミはそこらじゅうでチョロチョロ歩いている。ネズミ取りを仕掛けているけど、賢いので引っかからない。ゴキブリもいる。カラスやカモメ、ハトも来る。魚や残飯を狙っているんだ。ただ、定期的に衛生検査しているし、まな板などはしっかり殺菌している」
移転が延期されてよかったことがひとつあるという。
「おせちをつくって正月を迎えられる。かき入れどきの11月に引っ越していたら、そんな暇はなかった」(50歳男性)