アメリカ留学で学んだ考え方

 “自分らしさ”を尊重する山崎さんの考え方は、高校2年のときに1年間の留学生活を送ったアメリカ・ミズーリ州での経験に大きな影響を受けているそう。

「アメリカで学んだいちばん大きなことは、自分の意見をちゃんと伝える、ということでした。初めは英語がしゃべれないし、恥ずかしいし、友達いないし、2000人の生徒で僕しかアジア人がいなかったからいじめられたこともあって、ずっとおとなしく黙っていたんです。

 でも、それを乗り越えるということを学んだんです。黙っていても何も起こらないし、シャイでいても意味がない。待っていても自分で行動しないと何も変わらないんだってわかったんです。

 クラスにはゲイの同級生もいましたけど、“私ってこうよ!”って自信満々で主張していましたから。日本的に考えると恥ずかしいじゃないですか、10代だとまだ“自分はおかしいのかな?”とか葛藤もあるだろうし。でもアメリカでは、いろんな人種がいることもあって、誰がどうとかじゃなく“あなたはどうなの?”という見方をする文化。そこでは自分を信じて、自分をわかってもらうためのコミュニケーションを取ることが不可欠なんです。

 『プリシラ』の舞台はアメリカではなくオーストラリアだけれど、日本よりはアメリカに近いと思いますね」