「今年は4年に1度のオリンピックイヤーです。本来であれば、オリンピックで活躍した選手が発した名言が選ばれるのが恒例です。'04年に大賞を獲得した北島康介選手が発した“チョー気持ちいい”みたいな言葉です。

 明るい話題だし、表彰式も盛り上がるはずなんですが。今年はそれ以上にトランプ大統領や東京都の問題など政治がらみのものに加えて、『文春砲』をはじめとするスキャンダルが多く、本来であるなら選ばれるはずの言葉がかすんでしまった印象がありますね

 たしかに、今年の30語の中にはオリンピック関連の言葉は『タカマツペア』だけ。選手が発した印象に残る名言も見当たらず、これについてペリーさんは、

オリンピック出場選手の中に強烈なキャラクターを持った人が出てこなかったということもあるんですが、今年は発言に対する炎上が多かったと思います。だから今、みんなが発言に対して慎重になっているような気がします。

 ちょっと自分のことを言っても叩かれたりしますからね。インパクトのある言葉を発すると、計算してるとか売名だとか言われるから、流行語を発信しにくい窮屈な世の中になっています。アスリートの人たちも同様で、とても慎重になっていて、流行語になるような面白い言葉を発信しにくいんだと思います

 そして、2人がほかに気になった言葉はというと、『君の名は。』と、それにも関係がある『聖地巡礼』。

私は流行語ではないと思うのですが、『シン・ゴジラ』や『びっくりぽん』(朝ドラ『あさが来た』)のようにエンターテイメント系のヒットがたくさんありましたね。それらが話題になって、さらに大きな流行やヒットになることが今年はけっこう多くて、ウキウキした元気な年でもありました」(品田氏)