ドーン!と突き上げるような揺れ。東日本大震災から5年8か月後の余震だった。震災後最大となる1・4メートルの津波が宮城・仙台港で観測された。次の大地震はどこで発生するのか。専門家が真っ先に挙げたのは震源地・福島県沖の“南”だった──。
茨城、千葉県沖が危ない理由
「東日本で次に地震活動が活発化しそうなのは福島県沖の南です。茨城、千葉両県の沖合でマグニチュード(M)6〜7クラスの大地震が数か月以内に発生する確率が高いとみています。本当はもう少し発生時期を絞り込めればよかったんですが……」
と話すのは、立命館大学・歴史都市防災研究所の高橋学教授だ。
福島県沖を震源とするM7・4の地震が11月22日午前5時59分ごろ発生。岩手、宮城、福島など6県で津波警報・注意報が発令され、約50万人に避難指示・勧告が出た。
気象庁によると、震源は福島県いわき市の東北東沖約70キロ付近で深さは約25キロ。福島県いわき市などで震度5弱の揺れを観測し、10数人が転倒するなどしてケガを負った。宮城県仙台港には1・4メートルの津波が到達した。川を津波が遡上していった。
気象庁は2011年3月に発生した東日本大震災の「余震」との見方を示している。いまごろ余震とは……と驚いた人も多かったようだ。
しかし、『週刊女性』11月15日号で前出の高橋教授は《3・11はまだ続いているんです》と警告したばかりだった。10月21日に発生した鳥取県中部地震について解説する内容で、あえて東日本の現況に触れたといえる。次に西日本を襲う大地震については《鳥取の東にくる》と予測したとおり、11月19日に和歌山県南部でM5・4の地震が起こった。想定より小さかったため、まだまだ警戒が必要だという。
高橋教授は言う。
「前回の取材で話した“3・11の動き残り”が起こりました。北米プレートが割れたんです。過去100年のデータをみると、M7クラスの地震は5年に約3回発生しています」
下の地図を見てほしい。東日本で次にM6〜7クラスの大地震が起きそうなエリアを高橋教授がマークした。危険度の高い順にA(茨城、千葉県沖)、B(首都圏)、(c)(北海道・襟裳岬から青森、岩手県北部にかけての沖合)の3エリアだ。
「地殻変動は骨折とよく似ています。骨が折れると、次は1度折れた箇所よりも、その近くが折れやすくなりますよね。福島県沖は大地震が起きました。余震を軽視してはいけませんが、大地震に限っていえば、次はその南か北のほうが危ないんです」(高橋教授)