給料日前の金欠では意味がない
また、余暇の過ごし方は人それぞれ。座禅はひとりで組めるが、仲間とワイワイしたい人はそうはいかない。
「午後3時終業になったものの、私はもともと午後7時から“女子会”の予定が入っていたので、どこで時間をつぶそうか困っています」(不動産会社の52歳女性会社員)
ひとりで先に始めているわけにもいかず、友達の仕事が終わるのを待つしかなかった。
「来月は3月31日? 年度末ですか! すべての取引先にお知らせしているわけじゃないし、だれも電話に出ないわけにはいかないでしょう。来月は帰れないと思います」
と、前出の女性会社員。
最終金曜日にこだわらず、1週間前倒しするわけにはいかないのか。経産省に聞いた。
「それは無理ですね。統計上、最も消費活動が活発になるのは給料日(毎月25日)直後の金曜日。それを勢いづかせるのが最大の狙いですから」と同省流通政策課。
給料日前の金欠では意味がないということか。あくまで浮いた時間で飲食や旅行、レジャーなどでお金を使ってくれ─という本線は崩せないらしい。
プレミアムより定時帰りを徹底して!
さて、世の中のビジネスマンは早帰りできたときにどんなことをしたいのか。
「アジアなど近場の海外でひとり旅をしたい」(通信企業の51歳男性会社員)
「家族で北海道旅行に行きたい」(同僚の34歳男性)
「ひとりでゆっくり流行りの映画を見たい。子どもと『ドラえもん』の映画とかじゃなくて」(不動産業の39歳男性)
「楽器を習いたい」(証券会社の30歳女性会社員)
しかし、いずれのケースも勤務先はプレミアムフライデーを導入しておらず、実現のめどもなし。むなしくなる質問をして申し訳なかった。
金融関係の32歳女性は、「うちの会社が導入したらショッピングを楽しみたい」と話し、医療機器メーカーに勤務する夫(33)は、「家でのんびりしたい」と即答。
「プレミアムなんかより定時帰りを徹底してほしいですよね。有給休暇を消化できるようにするとか」とつけ加えた。