「娘を愛しているがゆえ、何でもお世話してあげるのですが、それとなく彼氏と別れるよう仕向けたり、自分の意思を押しつけたりと、娘さんの自主性を奪っていくんです。恋愛をこじれさせる悪女よりも、母娘だからこその重すぎる愛に狂気を感じました」(前出・成馬氏)
悪女が演じるシーンの中には思わず目を覆いたくなる場面もあるが、それでも視聴者はヒールたちに惹きつけられている。いったい、どんなところが彼女たちの魅力なのか。
「心のどこかで“クラスにこんな子いたな”“自分もわかるな”という共感できる部分があるんだと思います。それに、彼女たちがヒロインより圧倒的に強くないと、ドラマは始まりません。主人公は涙目で悪女の行動を待つ待ちの姿勢でいることがほとんど。ドラマを見ていると、“出でよ、悪女!”って思っちゃいます」(前出・ペリー荻野氏)
成馬氏も賛同する。
「実は最近のSNSに投稿される感想では、正ヒロインのような清純派優等生キャラは、嫌われやすい傾向があります。本音をしっかり言えるダークヒロインのほうが好かれるんです。正ヒロインにはない強さを持った悪女に惹かれる部分があるのでしょうね」
そんな悪女たちの演技に、これからも私たちは魅了されていくことだろう。