「面白いことを考えるって、むちゃくちゃ難しいんですよね。舞台やテレビを見ているときも、今まではお笑いのヒントをもらいたいと思っていたわけです。今は違うじゃないですか。少しでも息子の役に立つこと、子育てに必要なことを求めちゃってる」(同番組)

 芸人としては難しいところだが、母親だからこそできるお笑いもあるはず。

 ただ、テレビの仕事はハードで、片手間にこなせるものではない。

「バラエティー番組では、収録が午後10時から始まるというのはザラです。ということは、終わるのは深夜から明け方。小さい子を抱えているママが対応するのは無理ですよね」(富田氏)

 恋愛や結婚が芸の障害になるという考えも根強い。

「上沼恵美子さんが『M-1グランプリ』の審査員だったときのこと。ハリセンボンの2人に、“女は恋をすると面白くなくなるから、気をつけなさい”と言ったことがあります。あの世代の芸人にはそういう意識があります」(ラリー遠田氏)

 恋愛をタブー視する傾向は弱まってきたが、女性のコンビにはメンタル面の問題も。

ママ芸人派閥

「北陽はメンバー2人がどちらも結婚したからホッとしました。どちらかだけが結婚したことで関係が崩れ、解散してしまったコンビもいますからね」(富田氏)

 ママ芸人同士でも、うまくいくとは限らない。

「ただでさえ難しいママ友関係ですが、ママ芸人となると売れている売れていない、稼いでる稼いでないといった格差が絡んできて、面倒なことになります。未婚の女芸人さんたちは、ゆくゆくはママ芸人になることを考えて、“ママ芸人派閥”に入ろうかという話も聞きます。未婚の人ばかりの派閥に入ったら、ひとりだけママ芸人になると妬まれますからね」(芸能プロ関係者)

 苦労はあるが、ママ芸人には間違いなく需要がある。トークがうまいので、コメンテーター向きなのだ。

「くわばたさんの評判がいいのは、ママたちが共感できる視聴者目線の意見を言ってくれるからです。Eテレの『すくすく子育て』のMCをしていたのも大きいですね。正直、くわばたさんは結婚前はそこまでキャスティング会議などで名前が挙がる芸人ではなかった。

 芸人時代のキャリアに関係なく、ママ芸人として支持されれば花咲ける時代になったんです。赤ちゃんグッズのイベント出演、CM出演など仕事に幅も出ますしね。活用の仕方によっては、“ママ”という肩書は芸能人として大きな強みにもなるんです」(テレビ局関係者)

 引く手あまたなのはいいが、くわばたは本来の仕事である漫才もやりたいという。

「ブログなどでママ芸人の活躍が目立っていますが、お笑いの分野では続々と面白い後輩が出てきています。ママ芸人として評価が高くても、バラエティーに復帰できるかは未知数です……」(富田氏)

 子育てしながらときに身体を張る大島が、ママ芸人の希望の星になってほしい!

※くわばたりえさん、大島美幸さんのインタビューを明日公開します。あわせてお読みください。