“あけみちゃん”と酒場では呼ばれ……
先日、早くも5巻が発売となった。忙しくはなったものの、生活はほとんど変わっていないという。
「飲んべえだし、よくひとり飲みをして、時折、道路の溝に落っこちたりもします。住んでいるところの駅前の居酒屋へはよく行きます。カウンターの隅っこに座って、老夫婦の会話に耳をそばだてて“ふむふむ、まだエロいことをやってんのか”とか思いながら、お酒を飲む(笑)。新宿の赤ちょうちん的な居酒屋にもよく行きますけど、そこではなぜか“あけみちゃ~ん”と、おっさんたちに呼ばれ、数杯でベロンベロンになって、おっさんと同じようにフラフラになって帰るのがパターン。服にも特に興味がなくて、まだ高校時代のジャージを着ていますが、かなりボロボロになってしまいました。そんなに欲がないのかも。
不思議です、風俗漫画からスタートした私が、この境地に至っているなんて。でも、まだまだしたいことはあって、“ゆりかご”は今後は取材もしていこうと思っています。不妊治療の現場だって変わってきています。日本の養子事情なんかについても描きたい。昔と今の出産事情は違うだろうし、育児事情も違う。ワンオペ育児で頑張っている方にも、私の漫画を読んで、ストレスを発散してもらえたらうれしいです」
<プロフィール>
おきた・ばっか/漫画家。富山県出身。ペンネームは「起きたばっかり」に由来。漫画『アクション』の新人賞に応募して選外奨励賞を獲得し、26歳で漫画家デビュー。アスペルガーなどの発達障害と共生し、自身が抱える障害を題材とした作品『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』(2012年)も人気シリーズに。『透明なゆりかご』はじめ、『蜃気楼家族』『ガキのためいき』『ハイスクールばっかちゃん』などヒット作多数。